【台風情報】次の“台風11号”の卵 日本の南で熱帯低気圧発生へ 海外予報機関の監視対象に 9月はじめ日本列島接近おそれ 気象庁&海外機関の進路予想データ

熱帯低気圧発生へ 9号・10号より日本接近のおそれ

現在、日本の周辺には台風9号&台風10号の“ダブル台風”がありますが、日本の南の海上にはもう一つ、雲がまとまり始めているエリアがあります。

26日9時発表の地上天気図で、台風9号と10号の間に低気圧として表示されているエリアです。今後、この低気圧の雲のまとまりが熱帯低気圧となり、さらに発達して“台風11号”となる可能性があります。

気象庁の週間天気予報支援図です。8圧28日~9月2日までの地上天気図が示されています。色のついたドットのエリアは24時間で5㎜以上の降水が予想されるエリアです。

台湾付近に北上してくるのが台風9号です。その9号よりも東側に熱帯低気圧または台風のような同心円が北上してきています。これが台風11号となる可能性があります。

9月3日夜の地上気圧配置の予想データの一つです。あくまでも数あるシナリオの一つですが、九州のすぐ南の海上まで北上する可能性を示しています。9号や10号より日本列島に接近する可能性が示されています。

そしてアメリカやヨーロッパの予想結果も、日本列島に接近する可能性が示されています。

海外予報機関も監視の対象に

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

26日午前3時の発表で、台風9号、10号に関する情報とは別に、黄色い丸で表示されたエリアについて情報を発表しています。この雲域がJTWCの監視対象となったことを意味しています。

JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。

LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み

アメリカ海洋大気庁

アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。しばらく日本の南海上に位置したあとに、北上して日本列島へと向かうデータがあります。ただ、これを見てもわかるようにどこへ向かうかには非常に大きなバラツキがあります。

ヨーロッパモデルも北上の可能性を示唆

ヨーロッパ中期予報センター

こちらはヨーロッパ中期予報センターによる9月3日9時の地上気圧と上空1500メートル付近の風速の予想です。日本のすぐ南の海上に台風のような同心円があります。

ヨーロッパ中期予報センターでは、ある予想時刻の48時間以内に、その場所から300キロ以内を熱帯低気圧が通過する確率を公表しています。

28日21時の予想では、フィリピンの東の海上で確率が非常に高くなっている台風9号、日本の東の海上へとのびる確率が高くなっている台風10号とは別に、日本の南の海上で確率が高くなり始めているエリアがあります。

その後、日本の南の海上では70%以上とかなり高い確率のエリアが確認できます。これが新たに発生するとみられる熱帯低気圧または台風11号に対応しているとみられます。

9月3日の予想では確率が高いエリアは日本のすぐ南の海上へと移動しています。熱帯低気圧または台風が日本付近へ北上してくる可能性があることを示しています。

これらの予想は、まだかなり先の予想で大きな誤差を含んでいます。必ず熱帯低気圧または台風が発生するのか、またそれが日本列島に向けて北上してくるのかまだ断定的なことは言えませんが、その可能性がそこそこ高まっているのは確かなようです。

最終的には気象庁から発表される熱帯低気圧に関する情報や台風情報を参考にしてください。

9号や10号の動向も含めて、しばらくは日本の南の海上から目が離せない状況が続きそうです。

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