「甲子園見るから休む」もOK 海岸清掃、自分のペースで 宮古島の環境守る会 第3土曜に活動

 【宮古島】照りつける太陽の下、額に汗を流しながら砂浜で拾った漂着ごみなどを袋に入れていく。「宮古島の環境を守る会」は毎月第3土曜日に宮古島市の砂浜でボランティアの清掃活動を続けている。同会を立ち上げた根間惠勇さん(75)は「できる範囲でできる人がやる。その姿を若い人にも見てもらい、島のために立ち上がってくれたらうれしい」とほほえむ。

 根間さんは本島で県職員や土地改良のコンサルタントなどの仕事に従事し、2021年4月に出身地の市平良大浦に戻ってきた。きれいな自然が魅力的な宮古島だが、人の目につかない草むらや海岸には多くのごみがあることもある。「ごみ問題はすぐには解決しない。長期的な視野で解決しようと思った」と同会を設立した理由を話す。市平良狩俣と島尻、大浦、西原の砂浜の状況を見ながら、掃除する場所を決めている。

 現在のメンバーは6人。おのおのは参加できるときに、自分のペースで活動している。19日午前9時から、狩俣の海岸「ナービダ(長浜)」での清掃に集まったのは4人。欠席した1人は入院した親族のお見舞いに。もう1人は甲子園に出場した沖縄尚学の勇姿をテレビで応援するためだった。根間さんは「できる範囲でいいんです。そうしないと長続きしないでしょ」と頬を緩める。

 浜辺でゴミ拾いにいそしむメンバーの近くには黒いラジカセがあり、沖縄尚学の試合の状況を伝えた。1時間近くで約30袋分のごみが集まった。毎回、30~60袋分を拾うという。

 同会の活動は広がりをみせている。活動に賛同した狩俣や島尻の住民が手伝うこともある。根間さんは「周りの人を動かすには実績がないといけないので、長い目で考えている」と語る。メンバーの下地明さんは「活動が広がり、子どもたちも加わってくれたらうれしい」と話し、額の汗を拭き取った。

(友寄開)

© 株式会社琉球新報社