何だ、あのパター? 香妻陣一朗が使う“激レア”トゥーロン

眠っていたトゥーロンパターを投入(撮影/服部謙二郎)

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 3日目(26日)◇芥屋GC(福岡)◇7216yd(パー72)◇晴れ(観衆6071人)

芥屋GCは国内男子ツアーの試合で唯一の高麗グリーンとして異彩を放つ。この試合だけパターを替える選手も多く、いつも使っているエースパターの感覚を、芝目の強いグリーンで乱されたくない気持ちもあるのだろう。

通算11アンダー、7位で最終日を迎える香妻陣一朗もパターを変えたひとり。普段はオデッセイの「ミルドコレクション」(6M)か「ホワイトホットブラック」(#9)を使っているが、今週その手に握られていたのは、なんとも珍しい削り出しパターだった。

トウ側がせり上がったブレードタイプで、バックフェースが丸みを帯びている。ネックも特徴的で、少し長めでオフセットがついている。「家で眠っていた」という代物で、昨年の「全米オープン」出場時会場で見つけ、特別に作ってもらったという。「操作性重視で転がりがいいんですよね」

トゥーロンパターマグノリア(撮影/服部謙二郎)

ヘッドを見せてもらうと、ソールには「TOULON DESIGN MAGNOLIA」という文字と花の模様。すわ、トゥーロンか? 新作? マグノリアということは、この花はアザレア? …疑問がいっぱい浮かんだので、キャロウェイゴルフのパター担当に話を聞いてみた。

「アメリカでも出回っていないなかなか珍しいパターです。メジャー大会をモチーフに作られたモデルで、こちらはマスターズのオマージュ。フロウネックといってネックが少し長く、重量は重め。香妻プロが言うように転がりがいいヘッドです」

香妻陣一朗は3日目を「70」で耐えて3打差の7位に(撮影/奥田泰也)

「70」で回ったムービングデーは「なんとか耐えた感じ」で上位に踏みとどまった。前半2番でボギーを叩きながら、6番(パー5)で6mを決めてバーディ。「一番良かった」と振り返ったのは後半15番、2m強のスライスラインを沈めたバーディパットだった。

今シーズンは「パッティングに苦しめられていた」という。「いろんなパターを使っていたんですけど、これが一番しっくりきた。昔は高麗だから、とパターを変えたこともありましたけど、今回は高麗だから、ではないんです。ずっと(フィーリングが)良くなかったので、一番気持ち良く打てるものを選んだ。思ったところに打ち出せて、『ちょっと引っかけた、ちょっと押した』というのが、あまりない」

トゥーロンの削り出しパター(撮影/服部謙二郎)

パット巧者としても知られる香妻は、タップ式のようにインパクトでパチンと打つタイプ。まさにこの手の操作性重視の削り出しタイプのパターがハマりそう。「今週良かったらこれからも使う」とのこと。ここまでの様子を見る限り、来週以降のベントグリーンでも続投かな!?(福岡県糸島市/服部謙二郎)

開幕前日の水曜日にパター練習をする香妻陣一朗(撮影/服部謙二郎)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン