8回目の名門・小樽 菊地絵理香が振り絞る勇気

地元北海道で今季初優勝なるか(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 3日目(26日)◇小樽CC (北海道)◇6695yd(パー72)◇晴れ(観衆1270人)

「ホントに小樽じゃない」――。菊地絵理香が8回目の出場となる名門・小樽CCに入った時から、選手やキャディの間でそんな言葉が飛び交っていた。

ツアー屈指の硬いグリーンというイメージが定着しているが、ことしは気候の影響もあってかなりソフトでボールが止まりやすいコンディション。ほかの選手がラフから打っても止まるシーンを見て衝撃を受けた。

「いつもの小樽も好きなんですけど、こっちもやりやすい」と話すものの、過去7回の参戦を通して自分の中で固まったイメージとのギャップを埋めるのは簡単ではない様子。

「(身体が)反応しまくりますね。(過去のイメージは)消えないです。消えないので、実際に打って反応して、全然違うところに乗ることもある」。帯同キャディにも「止まるから突っ込んでいい」と背中を押してもらいながら3日間、勇気を振り絞ってピンだけを見た。

例年と様変わりの小樽CCに戸惑いながらベストタイ「67」(撮影/中野義昌)

前半5番で奪ったバーディもそうだった。残り140ydから8Iを握った場面。昨年までならピンを狙わず、番手を下げて左サイドを広く使ったはず。「(バーディパットが)10mでもしょうがないよねっていうマネジメントだった」。デッドに攻めて50㎝に絡められたのは、ショートサイドに外しても大丈夫という割り切りがあったから。

「(昨年までなら)ショートサイドに外したら絶対に寄らないところでも“寄ってしまう”。攻めやすい部分もあるんですけど、ある意味で見た目的な怖さはある。そのバランスがすごく難しい」

葛藤の連続だったラウンドで出した「67」はこの日のベストスコアだ。岩井明愛、申ジエ(韓国)と首位で並んで迎える最終日。「難しすぎて自分には合わないと思っていた小樽カントリーをいいイメージに変えたい」と勝ちにいく。(北海道小樽市/亀山泰宏)

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