台風9号は発達のピークへ “台風の目”もハッキリ
フィリピンの東海上にある台風9号はゆっくりと南下しています。26日から衛星画像では台風の目をハッキリと確認できるようにんりました。
27日午前3現在、中心気圧は935hPa、中心付近の最大風速50m/s、最大瞬間風速は70m/sと「非常に強い」勢力となっています。今後もさらに発達する予想で、29日には最大風速55m/s、最大瞬間風速75m/sとなり「猛烈な」勢力となる予想です。
台風9号、台風10号について気象庁や海外予報機関の進路予想をみていきます。
台風9号 気象庁
台風9号はフィリピンの東海上をゆっくりと南下しています。このあとさらに発達しながら次第に進路を北よりへと変える予想です。
29日には「猛烈な」勢力に、30日には沖縄の南の海上まで北上、31日未明に台湾付近を中心とする予報円に達する予想です。
台風9号 アメリカ海軍
気象庁の進路予想と同じような傾向です。最大風速の予想をみると30日未明には130ノットと、アメリカ海軍も台風9号がかなりの勢力へと発達するとみています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
台風9号 台湾を通過して中国大陸方面へ
気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
気象庁は台風の進路予想についてアンサンブル予報の結果は公表していません。そこで、一般にも公開されている海外の予報機関の結果を参考にみていきます。
台風9号 ヨーロッパ中期予報センター
ヨーロッパ中期予報センターが公開している10日先(240時間先)までのアンサンブル予想結果です。
これをみるとフィリピンの周辺海上に位置した後、台湾周辺を通過後に中国大陸方面へむかうデータが多いことがわかります。
台風9号 アメリカ海洋大気庁
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予想結果(240時間先)も台湾方面へ向かったあとは中国大陸へと進む傾向が多くなっています。現時点では日本列島へと向かう予想は少ないといえます。
台風9号はすでに非常に強い勢力となり、沖縄の南の海上に達する頃には「猛烈な」勢力へとなる予想です。沖縄地方では海が荒れることが予想されるほか、進路によっては先島諸島などに大きな影響が出る可能性があります。今後の最新情報をご確認ください。
台風10号 気象庁&欧米の進路予想は
台風10号 気象庁
台風10号 アメリカ海軍
気象庁やアメリカ海軍の進路予想はほぼ同じような傾向です。北上して日本の東海上に進んだあと、その後は北海道の東の海上で東よりに向きを変える予想です。
気象庁の予想では30日未明までには温帯低気圧へと変わっている見込みです。
台風10号 ヨーロッパ中期予報センター
台風10号 アメリカ海洋大気庁
台風10号についての欧米予報機関のアンサンブル予報の結果をみると、進路予想の傾向はわりとそろっていることがわかります。今のところ大きな影響が出るような感じではありませんが、最も西寄りの進路をとった場合、東日本や北日本に多少近づくおそれがあります。