飛鳥Ⅱはまるで一つの都市 「船体解剖図」続編に迫る カーフェリーから南極観測船までイラストで徹底的に

豪華客船「飛鳥Ⅱ」の船体解剖図。これまでの作品で最も巨大な船だといい、中村さんは「一つの都市を描いているようだった」と語る

 豪華クルーズ船からカーフェリー、南極観測船まで、日本各地で活躍するさまざまな船の内部を解剖図のように描いた「船体解剖図NEO」(イカロス出版)が23日に刊行された。前作から2年を経て、神奈川県内ゆかりの船を含む35隻を紹介。著者で船専門のイラストレーター・画家の「プニップクルーズ」こと中村辰美さん(66)は、「図鑑のように絵を眺め、船の魅力を感じてほしい」と話す。 

 船体を短く、漫画のようにデフォルメされた個性的なイラストが目を引く。

 横浜市民にはおなじみの大型クルーズ船「飛鳥Ⅱ」も、中村さんの手にかかればかわいらしい姿に。見開きで“解剖”された内部はしかし、緻密そのもの。客室やラウンジ、シアタールームをはじめ、普段は立ち入れない操舵(そうだ)室、メインエンジンや発電機もふんだんに描き込まれている。

 掲載されているのは、客船だけではない。横浜市消防局の消防艇「よこはま」のイラストには、120メートルの距離で毎分1万5千リットルの海水を放出できる主放水砲や、夜間航行のための赤外線カメラ、可燃性・毒性ガスの検知パネルなども描かれている。全ての船にはイラストのほか、船の解説や裏話も紹介した。

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