100歳超が全国平均の3倍以上、京都・京丹後市「健康長寿」の背景とは

京丹後市の高齢者の健康状況について話し合われた研究報告会(京都府京丹後市大宮町・アグリセンター大宮)

 「健康長寿の秘けつを探る」をテーマにした「第6回京丹後長寿研究報告会」がこのほど、京都府京丹後市大宮町のアグリセンター大宮で開かれた。京都府立医科大学の研究者らが、「健康長寿のまち」として知られる同市と行ってきた共同研究を基に、食事など市民の生活習慣が良好な健康状況をもたらしている効果などを報告した。

 100歳以上の「百寿者」が人口当たりで全国平均の3倍以上と多い同市と、同医大は2015年から共同研究を始め、今年6月に市立弥栄病院で調査対象となる65歳以上の健康診断の受診者が千人に達した。

 報告会ではこの調査結果をもとに、同病院部長を兼任する足立淳郎助教が「京丹後の人は日本人の一般的な数値に対し、血管年齢が著しく若い。血糖値や中性脂肪値、善玉コレステロール値、骨密度、歩行速度も優れている可能性が示唆される」と報告した。

 会場からは、京丹後の高齢者の健康状態が良い理由について質問があり、「海藻や魚介類、豆類などを摂取し、良好な腸内細菌が培われている。農業に従事する人が多く、日光を浴びて足腰を鍛えて骨密度の値が良くなっている」と、生活習慣が健康にいい影響をもたらしている背景を説明した。

 内藤裕二教授は「京丹後長寿食の提案」と題して報告。筋力低下など心身の機能低下を示す「フレイル(虚弱)」の予防には「果物や野菜に含まれている成分が有効との研究が発表されている」と語った。

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