酷暑のなかでのスーパーGT開催は「考えなければ」と坂東代表。夕刻の時間レースのアイデアも

 8月27日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝レースが行われるスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』を前に、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、毎戦行われているGTA定例記者会見に出席した。このなかで坂東代表は、近年の酷暑について触れ、2024年以降レース開催時刻についての検討を行いたいと語った。

 地球温暖化の影響か、近年の7〜8月のレースは非常に厳しい暑さのなかでの開催となってしまっっており、8月19〜20日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権でも、気温30度をゆうに超え、熱中症警戒アラートが発表されるコンディションのなか、熱中症になってしまったチームスタッフが複数いたという情報もある。

 8月26〜27日に鈴鹿サーキットで開催されているスーパーGT第5戦も、予選日の三重県は熱中症警戒アラートこそ出ていないが、午前の公式練習開始時点ですでに気温33度と酷暑のなかでのレースウイークとなっている。

 そんなレースウイークの記者会見に出席した坂東代表は、開口一番「暑い」と語り出すと、今後のレース開催時間については、「考えなければならない」と日中から開催時間をずらしたいと述べた。

「今後夏のレースの開催時間は考えていきたい。我々もそうだが、何よりお客さまのことを考えなければ。ファンの皆さんはずっと日陰があるスタンドの上の方にいなければならず、そういった環境でのレースになってしまう。それに、また来場してもらうためにも暑さがあったら来なくなってしまう。我々としてはレースそのものの面白さ、良さを伝えていかなければならない」と坂東代表は語った。

 坂東代表は、質疑応答の中でさらに暑さについて言及した。

 さらに、「暑い中はやらない」と酷暑が厳しい7〜8月の使い方について、モータースポーツ業界全体がしっかり休むというアイデアもあるのではないかと語った。ただ、スーパーGTのレースだけを休みにしても、他カテゴリーやテストなども行われることもある。「みんなで何か考えられるようにしたいと思っている。ここに来られている皆さんの7〜8月の使い方をどう読むか」と坂東代表は語った。

 とはいえ、夏休み期間にレースがないのも寂しくもなってしまう。「この7〜8月の気候は読みづらいが、まずひとつは、ギリギリまでの時間レースにして開始時間を遅らせるとか。以前マレーシアやタイでもあったと思うが、明るさが残る時間のレースにして、照明が使えるのであれば使うという手段もある」と坂東代表。

「野球であれば、3万人のファンが入っているのはやはりナイター。ドームであれば管理もできる。でも屋根がないスポーツなのですごく難しさはある。雨が降っても困るし」とモータースポーツならではの悩みを語った代表は、続けて「考えられるのは、終わりを決めて開催時刻をずらした時間レースにする。来季はそれで、最後に花火を観て涼しく終わるようにできれば良いのでは」とまだアイデアのレベルながら、気温が下がる夕刻のレースが良いのではと述べている。

 すでに2024年の開催日程は発表されており、今季同様8月は第4戦富士、第5戦鈴鹿が予定されている。どんなスタイルで開催されるか、今後の調整が気になるところだ。

2020年セパンウインターテスト ナイトセッションに向けピットアウトするGT500マシンたち

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