スーパーGTにおける火災対応を今後強化へ。専用の消火車両導入も目指したいと坂東代表

 8月27日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝レースが行われるスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』を前に、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、第4戦でGT300クラスのHACHI-ICHI GR Supra GT、HOPPY Schatz GR Supra GTに発生した火災への対応について言及し、消火への対応は「極端に遅い状態ではない」と語った一方、来季に向けて新たな消火対応の車両を導入したいと語った。

 8月6日に決勝レースが行われた第4戦富士では、レース中にHACHI-ICHI GR Supra GT、さらにHOPPY Schatz GR Supra GTに火災が発生。エキゾースト先端のサイレンサーが外れたことが火災の原因だったと坂東代表は明かし、過去には60号車Syntium LMcorsa GR Supra GTにも発生した事象だったと語った。

 現在GT300クラスでは近い設計のGRスープラ、GR86が参戦しているが、坂東代表は「同じような作り方をしているクルマが多いので、トラブルがあった際はチーム同士でコミュニケーションをとったりして、GT300規定車両での共有項目を増やしながらやってほしい」と再発防止に向けてチーム同士での対応を要望している。

 また今回の火災の対応について、第5戦のレースウイーク前に行われたドライバーブリーフィングで「ファイアステーションの場所を認知して欲しいと伝えた」という。コースサイドには消火スタッフが控えるファイアステーションが複数箇所にあり、その付近に車両を停めると迅速な消火作業に繋がる。

 さらにドライバーに対しても「キルスイッチを作動させる、可能ならば(車内の)消火器ボタンを押すようにして欲しいと再度伝えた。燃料の配管が燃えても、ポンプから燃料が送られる限り燃え続けてしまう」と坂東代表はコメントした。

 一方、火災に対する対応として「FROについては、何秒で現場へ到達し、どのくらいの時間で消火剤をどうかけていくのかの指令のもとで、極端に遅い状態ではない」と坂東代表。ただその上でさらなる消火対応向上のために、2024年に向けてスーパーGTとして、専用の消火車両を加えたいと語った。

「以前ブリーラムで開催した際、ハイラックスのうしろにタンクを載せた消火対応のクルマがあったと思うが、あれと同じようなものを1台は用意したいと思う。そのためのドライバーなども用意しなければいけないが、これだけの暑さもある」と坂東代表。

「富士の対応は優れていると思うが、他のコースに対しても、我々のイベントとして持って回れる車両を1台くらい用意しておいた方が良いと思う。より早く火を消せる方法、また早く火災を止める方法を考えていきたい。過去に消防に携わった人たちもいるので、専門的な相談をしながら、方法を伝授してもらいより強化したい」

2023スーパーGT第4戦富士 火災に見舞われてしまったHOPPY Schatz GR Supra GT

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