「ポロクル」のスタッフに密着!札幌のエコな移動手段を支える1日の知られざる働き

SDGsに関する情報をお伝えする「HTBサステナ宣言」です。

今回注目したのは札幌での移動手段として人気が高まるシェア自転車「ポロクル」。

札幌の「ポロ」にサイクルの「クル」でポロクルと名付けられたこのサービス。

2011年に事業がスタートし、昨シーズンは45万回を超える利用がありました。

1台あたり平均1日5回は使われていることになります。

利用予約を行うのはスマートフォンのアプリから。

料金は最初の30分が165円。お得な1日パスや月額会員もあります。

ポロクルと同じアプリで使えるシェア自転車は東京や大阪など全国19地域に広がっています。

旅行で札幌に来た人も手軽にポロクルが使えます。

自動車を使わずポロクルで観光地を巡れば排気ガスはゼロ。

エコな乗り物としても役割を果たしています。

昨今さらに注目を集めるこのサービスを快適に利用できる裏側を支える人たちの姿を取材しました。

札幌市内にあるポロクルのサポートセンター。

作業が始めるのは朝7時。7人態勢でリーダーはセンターに残り、6人が2人1組で駐輪場を巡回します。

巡回スタッフが最初に向かったのは住宅街の駐輪場。

スタッフが手にするのはバッテリーです。

ポロクルの自転車には電動アシスト機能があるため、バッテリー交換は欠かせない作業の一つです。

充電はサポートセンターで行います。

自転車はおよそ550台もあるため、充電器は常にフル稼働です。

次の駐輪場では多くの自転車が停まっているにもかかわらず4台を補充。

これは、この後に使用の予約が入っているなど、たくさんの人が使う見込みがあり、それに対応するためなんだとか。

道庁近くの市内中心部の駐輪場では通勤で使う人が続々とポロクルを停めていくなか、6台を回収しました。

通勤時間帯には郊外から都心方面へ向かう移動が多くなるため、その分を郊外に戻していくということです。

ポロクルの貸し出し・返却の拠点となる駐輪場は住宅街やオフィス街など市内62ヵ所。

通勤で利用する人も多く、朝は住宅街から中心部への移動が多くなります。

空になる駐輪場もあるため、多いところから少ないところへと自転車を移動させていくのです。

こちらのスタッフは点検が主な仕事。

タイヤに空気を入れることも頻繁にあります。

リュックから取り出したのは車輪に取り付ける「反射板」。

サポートセンターにいるスタッフは、モニター画面に表示される駐輪台数やバッテリーの量などの情報をもとに的確に指示を出していきます。

しかし、仕事はこれだけではありません。パンクなどの修理もおこなっています。

ポロクルを支えているのはおよそ50人の学生を中心としたアルバイトです。

認定NPO法人ポロクル熊谷美香子・事務局長はこのようにお話してくれました。

「なるべく皆さんが気持ちよく使っていただけるようなことを運営の中に組み込んでいます。彼らが札幌のマチのために、自分たちがすべきことは何かっていうのを自分たちごとでとらえて考えながら、運営をしてくれています。」

夜に作業を行うスタッフも。

朝とは逆で、住宅街から回収し、中心部へ補充する作業を行っています。

郊外にある駐輪場だと、駐車枠自体が多くない箇所も多く、油断するとすぐに自転車があふれてしまいます。
そのためすぐ回収に行くことを繰り返すのだそう。

作業を目の当たりにした利用者も「こういった人がいないとポロクルは成り立たないサービス」と感心していました。

ポロクルが快適に利用できる裏側には、スタッフのきめ細やかな作業がありました。

利用したときには、そんな人たちの支えがあることを思い浮かべてみてください。

HTBは2022年から「サステナ宣言」をしています。

HTBサステナ宣言として、持続可能な社会をつくるための開発目標「SDGs」の情報を発信しています。

「サステナブル」=持続可能な地球、社会の実現のために定められた17の目標のうち今回は、7番「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、11番「住み続けられるまちづくりを」の目標にあてはまります。

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