観光客1回1000円、福井県鯖江市―越前市またぐ定額タクシー 北陸新幹線の2次交通で導入へ

鯖江市役所=福井県鯖江市西山町

 福井県鯖江市は8月25日発表した本年度9月補正予算案に、越前、鯖江両市をまたぐ広域の定額タクシーを運行する事業を盛り込んだ。北陸新幹線県内開業を見据えた2次交通拡充策として、観光客が1回千円で利用できるチケット制を導入。市が負担する経費400万円を計上した。

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 県、越前市との連携事業で、実際にかかったタクシー料金から千円を差し引いた額の半分を県が、もう半分を客の降車した市側が負担する。

 両市が注力する産業観光の足として、域外の観光客の利用を見込む。宿泊施設や駅、地場産業の工房、拠点施設などを乗降スポットに設定し、このうち複数箇所でチケットが購入できるようにする方針。

 鯖江市は11月をめどに運用を始めたい考えだが、具体的な開始時期は未定。越前市は市内の拠点を結ぶ既存の定額タクシー制度「迎車でGO」の予算で鯖江市との連携にも対応する。

 鯖江市商工観光課は、市単独で本年度行う定額タクシー事業のほか、越前市の既存制度、広域的な定額チケット制度導入に意欲を示す丹南の他自治体との調整を課題に挙げる。担当者は「新幹線の越前たけふ駅開業も見据え、実際に運用しながら、より良い形にしていく必要がある」と話した。

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