中国、反日感情が拡大 日本人学校に次々嫌がらせ

中国山東省青島の日本総領事館近くで25日に見つかった「日本鬼子(日本人の蔑称)」などと書かれた落書き(提供写真・共同)

 【北京、上海共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国の日本人学校に石や卵が投げつけられる嫌がらせが相次いだことが27日分かった。日本政府は邦人の安全確保に万全を期すよう中国に求めた。中国では海洋放出に伴い反日感情が拡大し、日本製品の不買が呼びかけられた。訪日団体旅行は予約キャンセルが続出。対日世論は急速に硬化し、日中関係の冷え込みは必至だ。

 中国は日本からの水産物輸入を全面的に停止するなど海洋放出に強く反発。当局はSNSへの反日的な投稿を容認しており、過去に起きたような暴力的な反日デモ発生への懸念が高まる。北京の日本大使館など各地の日本公館では厳重警備が敷かれた。

 公明党の山口那津男代表が28~30日に訪中する予定は中国が「適切なタイミングではない」とし、延期になった。日本国内の個人や団体には中国から迷惑電話が相次いだ。

 今月10日に中国政府が解禁した訪日団体旅行は高い人気を誇っていたが、中国旅行大手の担当者は海洋放出後、中国メディアに「キャンセルが相次いでいる」と答えた。

北京の日本大使館付近を警戒する警察車両=27日(共同)

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