【台風情報】日本の南海上で “台風11号”発生へ 気象庁も進路予想開始 9月はじめ日本列島接近の可能性も 欧米10日先までの進路予想

熱帯低気圧発生 24時間以内に台風11号に

27日午後、気象庁はマリアナ諸島付近で熱帯低気圧が発生したと発表しました。午後6時現在の中心気圧は998hPa、中心付近の最大風速は15m/sです。

27日午後から気象庁は熱帯低気圧cとして5日先までの進路予想の発表を始めました。気象庁は熱帯低気圧が24時間以内に台風になる可能性が高い場合、5日先までの進路予想を発表します。

28日午後9時の予想で中心付近の最大風速が18m/sとなり、今後24時間以内に台風の基準を満たす見込みです。台風となると「台風11号」となります。

気象庁

熱帯低気圧は28日午後までに台風11号となったあと西よりに進みます。その後は次第に進路を北寄りへと変えて9月1日には暴風域を伴って沖縄の南の海上へと達する予想です。まだかなり予報円は大きく進路予想のブレ幅は大きな状況です。

ではこのあとさらに北上して日本列島へと接近する可能性はあるのでしょうか。気象庁の予報資料や海外の予想データなどを参考に見ていきます。

気象庁の週間天気予報支援図です。8月29日夜~9月3日夜までの地上天気図が示されています。色のついたドットのエリアは24時間で5㎜以上の降水が予想されるエリアです。

台湾付近に北上して大陸方面へ進んでいくと予想されるのが台風9号です。一方、それとは別に日本の南の海上から北上してくるのが台風11号とみられます。9月3日には九州の南の海上に予想されています。

さらにその先はどうなるのでしょうか。あくまでも数あるシナリオの一つですが、9月4日~6日までの地上天気図の予想図です。九州のすぐ南の海上から東シナ海へと北上する可能性が示され、9号や10号より日本列島に接近する可能性があります。

そしてアメリカやヨーロッパの予想結果も、日本列島に接近する可能性が示されています。

アメリカやヨーロッパ 台風11号の進路予想は

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

27日午後3時の発表で、台風9号、10号に関する情報とは別に、オレンジ色の丸で表示されたエリアについて熱帯低気圧に関する情報を発表しています。

JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。

LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み

気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

気象庁は台風の進路予想についてアンサンブル予報の結果は公表していません。そこで、一般にも公開されている海外の予報機関の結果を参考にみていきます。

アメリカ海洋大気庁

アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。西寄りへと進んだ後に、北よりへと向きを変えています。ただ、これを見てもわかるように北上する先は中国大陸から東シナ海、そして西日本まで非常にバラツキが大きいことがわかります。どこへ向かうのか、またどれくらいの勢力になるのかは正直ハッキリしない状況です。

ヨーロッパ中期予報センター

ヨーロッパモデルの予想も西よりからその後、北上を示すデータがありますが、こちらも予想にはかなりのバラツキがあります。日本の南の海上に北上してきたあとにどこへ向かうかはまだよくわからないというのが現状です。

これらの予想は、まだかなり先の予想で大きな誤差を含んでいます。日本列島に向けて北上してくるのかまだ断定的なことは言えませんが、その可能性がそこそこ高まっているのは確かなようです。最終的には気象庁から発表される進路予想を参考にしてください。

9号や10号の動向も含めて、しばらくは日本の南の海上から目が離せない状況が続きそうです。

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