中国、SNSでの反日投稿を容認 不安が覆う邦人社会

中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に投稿された「日本人は死ぬべきだ」などの書き込み(共同)

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出後、中国の交流サイト(SNS)では反日的な投稿が増えている。中国では指導部を批判する書き込みはすぐ削除されるが、日本への攻撃的投稿は放置される。海洋放出に反発する中国当局が容認しているのは明らかで、邦人社会を不安が覆っている。

 「日本は世界の悪性腫瘍」「日本人は死ぬべきだ」。中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には日本を敵視する書き込みが相次ぐ。日本の電話番号を複数書き込んだ画像が投稿され「日本の番号を見つけて誰であろうと電話し、断固抗議しよう」と呼びかける人もいる。日本で相次ぐ迷惑電話はこうした投稿がきっかけとみられる。

 日本の参議院に重慶市の男性が電話し「なぜ核汚染水を海に排出したのか」とただす様子を写した動画には、8万件以上の賛意が寄せられた。

 「登下校中に子どもが嫌がらせを受けないだろうか」。中国で日本人学校が投石などの標的になったことで、日本人学校に子どもが通う保護者らは動揺。夏休み明けの新学期を9月初旬に控え、緊張が高まっている。

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