小林「残していたニュータイヤを使った」小出「一言で言うと『しんどかった』」【第5戦GT300決勝会見】

 三重県の鈴鹿サーキットで開催された2023スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』。8月27日の午後に行われた決勝レースを終え、GT300クラスで優勝を飾ったUPGARAGE NSX GT3の小林崇志と小出峻が決勝を振り返り、次戦への展望を語った。

小林崇志/第1スティント担当

「(今シーズンは)開幕戦で優勝してからここまで、ノーポイントでした。なので、チャンピオンシップを争ううえで今回は表彰台がマストだと思って臨みました」

「昨日の予選は、走りの調子は良かったのですがマシントラブルでQ2に出走できず、『なんでこんな大事なところで…』と思っていました」

「ですが、今日はしっかりとチームがリカバリーしてくれて、作戦としてもFCYのタイミングでピットに入ることができました。さらにピット作業では87号車(Bamboo Airways ランボルギーニ GT3)をパスすることができたので、完璧な仕事をしてくれたチームに感謝しています」

「僕のスティントでは、予選に出走できずに残していたニュータイヤを使って、できるだけペースを上げて前に追いついて抜こうという作戦でした」

「また、早めにピットへ入ったチームも多かったので、クリアな状況でペース良く走ることができました。ただ、20周目くらいでタイヤに異常を感じたので、急遽小出選手に代わりましたが、それが結果的には良かったのかなと思います。優勝することができて、本当にホッとしています」

「今回でポイントランキングがトップとなりましたが、残り3戦で順位を維持するためには、100kgのサクセスウェイト(SW)を載せながらでもポイントを獲っていかなければなりません。なので、まだまだ残っている課題をチームとともに改善しながら着実にポイントを稼いで、チャンピオンを獲れるように頑張りたいと思います」

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)

小出峻/第2、第3スティント担当

「今回は後方からのスタートとなりましたが、なんとなく開幕戦のような(18番手から逆転優勝)レースができるのではないかと思っていました」

「前半スティントでは小林(崇志)さんがしっかりと良いペースで走って、順位を上げて帰ってきてくれて、そこからはロングのスティントを予想して作戦を立てました」

「自分のスティントでは、タイヤをある程度保たせつつ走っていたところでFCYが導入となったのですが、130Rで56号車(リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)が止まったのが見えたときに『絶対にピットに入ろう』と思いました。ピット作業でもチームがいい仕事をしてくれて、トップに浮上することができました」

「そこからは、一言で言うと『しんどかった』です。松浦(孝亮)さんとの戦いでもあって、自分自身との戦いでもあって。タイヤを保たせて、チェッカーまで(車を)運ぶという、自分の仕事を完遂することができたので、小林(崇志)さんと同じように僕もホッとしています」

「ポイントランキングでトップとなったので、これからはSWが100kgとなり今まで以上に厳しい戦いが始まります。ですが、一戦一戦自分達のできることを最大限こなせば、結果は最後についてくると思うので、これ以降も変わらずしっかりと戦って、最後に笑えるように頑張りたいと思います」

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 小出峻(UPGARAGE NSX GT3)

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