【シンガポール】新明和工業、空港の搭乗橋を遠隔操作[製造]

新明和工業はシンガポールのチャンギ空港で、運航中の商用機を対象に遠隔操作での自律型自動運転による搭乗橋の装着に成功した(同社提供)

輸送関連機器メーカーの新明和工業(兵庫県宝塚市)は25日、シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ・エアポート・グループ(CAG)と共同で、運航中の商用機を対象に遠隔操作での自律型自動運転による搭乗橋の装着に成功したと発表した。同様の機能を用いた搭乗橋の接続が成功したのは世界初という。

新明和工業は2020年に自社開発した搭乗橋の「フルオート・ドッキングシステム(完全自動装着システム)」を、22年8月にチャンギ空港第1ターミナルに納入済みの自社製搭乗橋に搭載。チャンギ・エアポート・グループと共同で、航空機モックアップ(実物大模型)を用いて操作盤から離れたエプロン(搭乗橋の下)の位置から遠隔操作で装着する実証実験を約1年かけて実施し、作業の精度などを検証していた。

その安全性が確認できたことから、チャンギ・エアポート・グループから運航中の機体を対象に装着することが認められ、今回実用化に至った。現在は航空機の搭乗口に搭乗橋を接続する作業を、キャブ(搭乗橋の先端部分の装着口)でオペレーターが運転操作を行っている。

フルオート・ドッキングシステムに付加できる遠隔操作機能の販売は、25日から開始する。ハブ空港であるチャンギ空港での実証実験や、運航中の機体への装着結果を踏まえ、今後は遠隔操作を含めたフルオート・ドッキングシステムを世界市場に広く提案していく。

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