朝乃山に4400人沸く 大相撲氷見場所

朝乃山の取組に沸く満員の観衆=氷見市ふれあいスポーツセンター

  ●満員御礼、大声援 力士113人、巡業で熱戦

 富山新聞創刊100年記念・大相撲氷見場所(富山新聞社、北國新聞社主催)は27日、氷見市ふれあいスポーツセンターで行われた。富山市呉羽町出身の朝乃山(富山商高OB、高砂部屋)をはじめ、横綱、大関ら力士113人による38年ぶりの巡業が満員の約4400人を沸かせた。人気の朝乃山は番外取組と合わせて2番を取り、握手会や公開げいこでも、ひときわ大きな声援を浴びた。

 来場者は午前9時の開場の1時間以上前から長蛇の列をつくり、会場には「満員御礼」の垂れ幕が掲げられた。

 朝乃山は午前9時半からファンとの握手会に臨み、「頑張って」「横綱になってください」の励ましに笑顔で応じた。関取衆との公開げいこの後、中高生とのけいこに参加。高岡向陵高と相撲教室「いわせの道場」(射水市)で鍛える中学生らに胸を貸した。

 午後には髪結いのモデルとして土俵に上がった。取組では、関脇若元春(荒汐部屋)と北勝富士(八角部屋)に連勝して期待にこたえた。北勝富士戦は相手ののど輪や突っ張りに押し込まれたものの、観客の大応援を受けて寄り切った。

 取組では各力士が熱戦を繰り広げ、貴景勝(常盤山部屋)と霧島(陸奧部屋)の両大関が結びの一番を務めた。勝負が決まるたびに「おー」とどよめきが起きた。氷見市に隣接する七尾市出身の十両輝(高田川部屋)にも大きな拍手が湧いた。

 横綱照ノ富士(伊勢ケ浜部屋)は堂々とした土俵入りを見せた。禁じ手を面白おかしく紹介する「初切(しょっきり)」や相撲甚句、横綱綱締の実演も観客を楽しませた。唐戸山神事相撲(羽咋市)の氷見出身大関11人の化粧まわしも披露された。

 関取の取組に先だって、氷見場所開催実行委員長の後藤尚彦富山新聞社副代表、林正之氷見市長があいさつした。

 朝乃山は会見で、黒部、金沢、氷見と続いた北陸巡業を振り返り「地元ということですごい歓声、声援がありうれしかった。来場所は二桁以上勝ちたい」と活躍に意欲を示した。

大声援を受けて攻める朝乃山

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