ひとり3ストップ作戦を成功させディクソンが2連勝【順位結果】インディカー第15戦WWTR決勝レース

 ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されたNTTインディカー・シリーズ第15戦。27日に行われた決勝レースは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が大きなリードを築いて2連勝を飾った。

 今季ラストレースに挑んだ佐藤琢磨(チップ・ガナッシ)は、レース中盤にクラッシュを喫しリタイアで今シーズンを終えている。

 前日のストームで予選が午前中に行われ、現地15時30分より260周のレースがスタートした。今回のWWTR戦では、ロード/ストリート同様にソフトタイヤとプライマリータイヤの2種類を使用す新たな試みが行われている。

 ポールのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)を先頭に2列縦隊でスタート。ニューガーデンがホールショットを決めるも、後方でベンジャミン・ペデルソン(AJフォイト)がクラッシュを喫しイエローコーションとなる。

 10周目にレースは再開。ニューガーデンがトップをキープし、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が2番手、6番手スタートのデイビッド・マルーカス(デイル・コイン)は3番手に上がる。4番手から6番手はマクラーレンの3台が続いていく。

 ニューガーデンがリードしていく展開でレースはこう着状態に。44周目あたりから最後尾のエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)にニューガーデンが追いついていく。

 琢磨は50周を走行していち早くピットイン。ハードタイヤを再び選択する。琢磨はペース上がらず、ニューガーデンに交わされラップダウンとなる。

 56周目、ハータがペースを落としたところにマクラーレン勢が襲い掛かり、交わされたハータはすぐにタイヤ交換へピットに向かっていく。

 57周を走行してピットインしたアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)はここでソフトタイヤをセレクト。61周終わりでトップのニューガーデン、2番手のマルーカスもピットインし、レッドタイヤに履き替える。

 ステイアウトしていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソンも入り、再びニューガーデンがトップに浮上する。2番手にハータ、パト・オワード(アロウ・マクラーレン)、マルーカス、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)と続いていく。

 70周目にオワードがハータをオーバーテイクし2番手に浮上。ペースアップしたオワードはニューガーデンを0.5秒差に捉えるも、オーバーテイクまでには至らず、ニューガーデンがレースをリードしていく。

 100周を過ぎソフト勢が2度目のタイヤ交換へと向かう。ニューガーデン、オワードも103周終わりでピットインを行う。

 トップはハータ、マルーカス、ローゼンクヴィストと続く展開に。ハータは113周を走行しピットイン。ここで燃費走行をするディクソンが再びトップに立つ。

 123周目、佐藤琢磨がクラッシュを喫し、2度目のイエローコーションとなる。琢磨の2023年のレースはここで終了となってしまった。

今季ラストレースに挑んだ佐藤琢磨(チップ・ガナッシ)

 ピットレーンがオープンとなり、ステイアウトしていたトップのディクソンがピットイン。2番手のニューガーデン、3番手のオワードも続く。

 レースは、ディクソン、ニューガーデン、オワード、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)の順でレースは136周目にリスタート。

 リスタートでオワードがアウトからニューガーデンに迫る。2台が接触するもニューガーデンが2番手をキープ。ディクソンはトップを走行し、レースは残り100周に。

 オワードは165周目でピットイン。ローゼンクヴィストも続く。ニューガーデンも167周目にピットインし、続々とピットへと向かう中、ディクソンはステイアウトしてトップを走行していく。

 燃費走行をし3ストップ作戦を目指すディクソン。それをパワーが7秒差で追いかけ、ストラテジーの違うピットイン組はオワード、ニューガーデンが争う展開となる。

 190周目にパワーがピットイン。ディクソンはペースが落ちるも196周を走行しラストピットへ。

 これでオワードがトップに浮上。ニューガーデン、ロッシ、マクラフラン、マルーカスと続き、ディクソンはトップと9秒差の11番手でコースに復帰する。

 残り52周でニューガーデンがピットイン。しかし、トラックに戻ったニューガーデンはアウトに膨らみウォールにヒット。ピットに戻ってマシン修復を試みるもリタイアとなった。

 トップのオワードも214周目にピットインし、8番手でコースに復帰。ハータも220周でピットに向かい、再びディクソンがトップに浮上する。パワーが0.5秒の僅差でディクソンを追いかけ、オワードはディクソンと20秒差、その後ろのロッシは1ラップダウンとなり逆転は厳しい状態に。

 レースは残り25周。パワーが徐々に近づくもディクソンをオーバーテイクするまでの速さを出すことができない。3番手にカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート)、4番手にオワード、5番手に1ラップダウンでマルーカスが続く。

 244周終わりでカークウッドがピットイン。オワードは3番手に浮上するもディクソンとの差を詰めることができず、その差は23秒差と開いていく。

 セーフティカーを願っていたパワーも247周でピットイン。ディクソン、オワード、マルーカス、ロッシ、マクラフランというトップ5に。

 ライバルがいなくなったディクソンは、ひとり3ストップ作戦を成功させると大きなリードを築いて2連勝。パロウのチャンピオン獲得を阻止することに成功した。

 2位はオワード、マルーカスが3位に入り2年連続の表彰台を獲得した。パロは7位となり、リタイアしたニューガーデンがチャンピオン争いから脱落となった。

■NTTインディカー・シリーズ第15戦ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ決勝レース結果

Pos. No. Driver Team Engine Laps SP

1 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 260 16

2 5 P.オワード アロウ・マクラーレン C 260 3

3 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 260 6

4 7 A.ロッシ アロウ・マクラーレン C 259 7

5 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 259 10

6 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 259 2

7 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 259 14

8 6 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレン C 259 4

9 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 259 8

10 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 259 15

11 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 259 20

12 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 259 5

13 14 S.フェルッチ A.J.フォイト・レーシング C 259 26

14 20 R.ハンター-レイ エド・カーペンター・レーシング C 259 23

15 27 K.カークウッド アンドレッティ・オートスポート H 259 22

16 30 C.デイリー レイホール・レターマン・ラニガン H 259 11

17 45 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 259 19

18 60 L.ルンドクヴィスト メイヤー・シャンク・レーシング H 258 12

19 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 258 18

20 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 258 21

21 51 S.R.ロブ デイル・コイン・ウィズ・RWR H 258 24

22 78 A.カナピノ フンコス・ホーリンガー・レーシング C 258 28

23 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 257 13

24 33 E.カーペンター エド・カーペンター・レーシング C 254 27

25 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 210 1

26 11 佐藤琢磨 チップ・ガナッシ H 119 17

27 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 58 9

28 55 B.ペデルソン A.J.フォイト・レーシング H 0 25

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