角田、善戦するも戦略が奏功せず。ペナルティもあり15位「速さと好パフォーマンスを発揮できたことには満足」/F1第14戦

 2023年F1オランダGP決勝で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は15位を獲得した。

 17番グリッドからソフトタイヤでスタートした後、序盤の雨に対応してすぐさまタイヤ交換を行ったことで、角田は8番手に浮上した。その後、路面が乾き、ソフトタイヤに交換。チームはこのタイヤで長く走り続ける戦略を採り、角田は最終的にソフトタイヤで50周を走った。他車のピットストップにより、一時は4番手まで繰り上がったものの、タイヤの状態が悪化してポジションを落とし始め、その過程で、ジョージ・ラッセル(メルセデス)との間で接触が起きた。この接触に関して、スチュワードは、大部分の責任が角田にあったと判断し、5秒のタイムペナルティ(レース後加算)とペナルティポイント2を科した。

「ラッセルは、フロントストレートからターン1進入において、角田のアウト側からオーバーテイクの動きを取った」とスチュワードの声明には記されている。

「ブレーキングポイントの時点で、ラッセルは角田より前に出ていたが、角田はブレーキングを少し遅らせたようだ。角田は路面が汚れているイン側のラインを走っており、ブレーキングを遅らせた後、アンダーステアになり、ラッセルにヒットした。スチュワードはこの接触の責任は主に角田にあると判断した」

 角田は12番手まで落ちたところで、60周目、雨に対応してインターミディエイトに交換。他車もタイヤ交換を行ったことで、ポジションを維持するが、その後、天候が悪化、クラッシュした車両もあり、レースは赤旗中断に。レース再開後、角田はポジションを落とし、13位でフィニッシュ、5秒のタイム加算により、16位に降格された後、ケビン・マグヌッセン(ハース)がペナルティを受けたことで、角田のリザルトは15位となった。

2023年F1第14戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ)

 ビークルパフォーマンス責任者のギヨーム・デゾトーは、角田の決勝について、次のように振り返った。

「天候が大きな役割を果たしたレースになった。絶え間なく変化する状況に対処することは、全員にとって大きなチャレンジだった」

「ふたりともソフトコンパウンドでスタートしたが、序盤に降った最初の雨の際に、すぐさまピットに呼び戻し、インターミディエイトに交換した。それは正しい判断で、いくつかポジションを上げることができた」

「コースコンディションが改善し始めた時、ソフトタイヤに戻した。最初のウエット時にドライタイヤでステイアウトして、ドライになった後、ペースを上げたマシンに対して、裕毅はうまくポジションを維持することができた」

「(レース序盤の)セーフティカー後、裕毅は良いポジションにいたので、我々は彼をステイアウトさせるというギャンブルをした。それは正しい決断ではなかった。その後、彼は使い古したタイヤのせいで、タイムとポジションを失い始めたのだ」

「裕毅は次の雨が来るまで何とか持ちこたえたが、雨による路面コンディションがひどくなりすぎたために、赤旗が出て、レースが中断された」

「インターミディエイトタイヤでの終盤の周回では、タイヤのウォームアップが悪く、グリップが低いことによって苦労した」

2023年F1第14戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ)

■角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)
決勝=15位(72周/72周)
17番グリッド/タイヤ:ソフト→インターミディエイト→ソフト→インターミディエイト→インターミディエイト

 良いスピードを発揮し、レース前半を通して、たくさんのマシンを相手にポジションを守るなかで、何度かエキサイティングな場面もありました。それについては満足しています。

 レース前に、チームと僕は、使用したソフトタイヤでステイアウトするという戦略を採ることで、意見を一致させていました。最後まで走り切ることができると考えていたのです。

 グリップはそれほど悪くなかったですが、新品タイヤのアドバンテージが思っていたよりも大きく、結果的には戦略はうまくいきませんでした。

 インターミディエイトでの終盤のラップでは、十分なグリップがなく、タイヤを温めて、温度を保つことに苦労しました。それは少し珍しい状況だったので、調べてみる必要があります。

 昨日予選でペースを発揮することができなかったのが残念です。でも今日の決勝では、懸命にトライし、比較的良いパフォーマンスを発揮することができたので、それについては満足しています。

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