ディズニー映画『ホーンテッドマンション』が、2023年9月1日(金)に劇場で公開されます。
ディズニーランドでキャストとして働いていたジャスティン・シミエン監督が、映画製作の裏側を明かしました。
人気アトラクションを実写映画化
ディズニーランドの人気アトラクション「ホーンテッドマンション」をディズニーが2度目の実写化。
映画『ホーンテッドマンション』が2023年9月1日(金)に劇場で公開されます。
監督はジャスティン・シミエン。
カリフォルニアのディズニーランドでキャストとして働いていたという異色の経歴を持つ監督です。
元キャストのシミエン監督が手掛ける本作は、2003年に公開された最初の実写版『ホーンテッドマンション』とは、全く関連しない別の映画。
今回はアトラクションの要素を大いに取り入れたストーリーやゴーストが登場します。
アトラクションの技術を映画に採用
元ディズニーランドのキャストであり、アトラクション愛がこの上ないシミエン監督。
本作を手掛ける上で、「あのオリジナルのアトラクションが持つ魅力を保つことが重要だと感じました」と、アトラクションの要素を映画の中にふんだんに取り入れることに力を注いだと話します。
製作陣は、パークの閉園後にアトラクションを隅々までリサーチし、ひとつひとつの小物にまでこだわり抜きました。
中でも意識的に行ったのが、館の中の光景が、目の前に広がっているように感じさせるための工夫。
シミエン監督は、アトラクションと同じ技術も採用したといいます。
「その多くは、煙と鏡を使ったペッパーズ・ゴースト効果と呼ばれるものなど、古風で実践的な効果をもたらすものばかりです。アトラクションで実際に使われている効果を手本として使い、その物理性や具体的な感覚に説得力を持たせれば、ファンタジーの世界に観客を連れ出すことができるはずだとわかっていました。」
ペッパーズ・ゴーストとは?
監督が撮影に使用した「ペッパーズ・ゴースト効果」。
お化け屋敷の古典的な技法で、ディズニーランドのホーンテッドマンションでも多く使用されています。
例えば、マダム・レオタが降霊術を行った後の舞踏会のシーン。
ゲストが乗るドゥームバギーは2階部分を走っており、目の前にはガラスが貼られています。
ガラスの向こうには食卓などが置かれており、その周りをゴーストがダンスしています。
食卓などは本当に置かれていますが、ゴーストはガラスの向こうにはいません。
ゴーストはゲストの下、1階部分に人形が置かれており、そこにライトが当てられています。
すると、ガラスの正反対に虚像が映り、人間の視点からはガラスの向こうにゴーストがいるように見えます。
このように、ガラスや鏡を使用した効果が、ペッパーズ・ゴーストの簡単な効果です。
ホーンテッドマンションのようなウォルト時代の伝統的アトラクションはもちろん、「美女と野獣“魔法のものがたり”」など最新アトラクションでも使用されています。
画面内の色味に注目
シミエン監督「もちろん私たちは最新鋭のデジタル効果を駆使していますが、デジタル空間で起こっている出来事のようには決して感じられない映画にすることが重要でした。」
デジタル技術に頼り切らないことも、アトラクションを忠実に再現する上で重要だったそうです。
今回の撮影に使われたのは、製作陣がこだわりぬいた巨大な屋敷のセット。
その屋内は、普通の色と、ゴーストの世界の色の両バージョンで作られました。
映画を観ていると、ゴーストが登場していないシーンには明るい色味、ゴーストが登場している奇妙なシーンには、その世界を表す血色感の少ない色味を採用されています。
シミエン監督は、「そうすることで、2つの異なる空間にリアルタイムで出演者たちと一緒に身を置くことができました」とコメント。
このこだわりのセットにより、物語に登場するキャラクターたちの置かれた状況が、リアルに体感できるのです。
リアルに撮影することで生まれるアトラクション感
「セットの下にレールを敷いて、椅子が “まるでゴーストに引かれて”動くようにしたり、ミステリアスに浮遊する物体を実際に設置したりもしています。そして、ゴーストのほとんどはコスチュームを着せて特殊メイクを施した人間をワイヤーに吊るしたりして物理的に撮影し、その映像を後にデジタルで向上させています」とも話したシミエン監督。
アナログな撮影シーンに最新デジタル技術が融合させたことで、劇場の中で観客たちは、まるで館の中に迷い込んでしまったような気分が味わえるのです。
映画『ホーンテッドマンション』
2023年9月1日(金)劇場公開
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(ウレぴあ総研 ディズニー特集/ 林田 周也)