「ヨイヤナー」4年ぶり馬練り披露 豊漁豊作願う 雲仙・多比良温泉神社「風除祭」

豊漁豊作を願い、神馬を引いて男性2人が歌いながら手足を振り上げる「馬練り」=雲仙市内

 本格的な台風シーズンを前に豊漁豊作を願い、長崎県雲仙市国見町の多比良温泉神社の「風除祭(かざよけさい)」が27日始まった。男性2人が神馬を引きながら舞う「馬練り」などのお下(くだ)りが4年ぶりにあり、大勢の住民らが楽しんだ。
 植木貴信宮司(88)によると、祭りは少なくとも300年以上の歴史があるという。新型コロナの影響で昨年までの3年間は神事だけ執り行っていた。
 同神社から有明海に近い住吉神社へ向かうお下りでは、町民約100人が浮立(ふりゅう)や馬練り、子どもみこしなどの行列をつくった。本みこしは、末永く繁栄するようにという意味を込めた「センダイラク、バンダイラク」の力強いかけ声とともに各地区を巡った後、海でみそぎをした。
 同町のイチゴ農家、坪田将健さん(25)は「神様への感謝を胸に、多比良の伝統のみこしをかついだ。町を盛り上げられてよかった」と満足そうに話した。植木宮司は「氏子の皆さんのおかげで通常通りに祭りができた。これ以上の喜びはない」としみじみと語った。30日にお上りがある。

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