【野球】 関東初の六大学球宴に慶大勢9名が出場! 東京六大学野球オールスターゲームin桐生

8月26日(土)東京六大学野球オールスターゲーム 赤城ウィンズvs渡良瀬ストリームズ @小倉クラッチ・スタジアム(桐生球場)

「球都桐生の日」制定記念かつ球都桐生プロジェクトの一環として関東では初めて行われた今年の東京六大学野球オールスターゲーム。明大・立大・早大の3校の選抜メンバーで構成された「赤城ウィンズ(以下、赤城)」と、慶大・法大・東大の3校の選抜メンバーからなる「渡良瀬ストリームズ(以下、渡良瀬)」の両者ともに見所満点の試合となり、秋季リーグの開幕が待ち遠しい1日となった。

◆スコア

1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
渡良瀬	0	3	0	0	2	1	0	6
赤城	1	0	0	0	0	2	3

渡良瀬バッテリー:○外丸、尾﨑、篠木、吉鶴ー宮崎、吉安

赤城バッテリー:石原、●伊藤樹、沖、菱川、蒔田ー戸丸、印出

渡良瀬の先発は2年生の外丸東眞(慶大=環2・前橋育英)。一死二塁から3番・熊田任洋(早大=スポ4・東邦)の適時打で先制を許すもその後は打たせてとるピッチングで最小失点でしのぐ。すると直後の2回には、栗林泰三(慶大=環4・桐蔭学園)と宮崎恭輔(慶大=環4・國學院久我山)が三塁手への強襲打と四球で出塁し、別府洸太郎(東大=教育4・東筑)の犠打、武川廉(法大=人環3・滋賀学園)の適時打で3点を取り逆転に成功する。5回には、今泉颯太(法大=4・中京大中京)の2点適時打によりリードを4点に広げ、6回には斎藤快太(慶大=商3・前橋)の適時打でさらに1点を追加するも、西川侑志(立大=社会2・神戸国際大附属)の内野安打、山縣秀(早大=商3・早大学院)の犠打で2点を返されてしまう。 赤城の追い上げが始まったかと思われたが、雨天コールドとなったため6-3で渡良瀬が勝利した。

外丸は地元・群馬での凱旋登板となった

今回の球宴には慶大野球部からは、廣瀬隆太(商4・慶應)、外丸、谷村然(環4・桐光学園)、宮崎、栗林、斎藤快、齋藤來音(環4・静岡)、吉川海斗(法4・慶應)、学生コーチの櫻井優(文3・桐生)の9名が選出。前日に廣瀬から水鳥遥貴(商3・慶應)へと選手変更がされた。試合前から応援団はもちろん、地元の和太鼓部やチアも観客を盛り上げ、活気に満ちた雰囲気で幕を開けた。

序盤は赤城の先発・石原勇輝(明大=商4・広陵)から1番・武川が右中二塁打を放つも後続が続かず無得点に終わると、渡良瀬の先発・外丸が1番・尾瀬雄大(早大=スポ2・帝京)に右線二塁打を打たれると、3番・熊田の適時打で1点を先制される。続く2回の攻撃では、赤城の2番手・伊藤樹(早大=スポ2・仙台育英)から5番・栗林と6番・宮崎が連続で出塁し、8番山口真之介(東大=薬3・小山台)の適時打で一死満塁から9番・別府の犠打、1番・武川の適時打でこの回3点を取り逆転に成功する。守備では外丸が7番・小島大河(明大=政経2・東海大相模)に右二塁打、9番・齋藤大智(立大=コミ3・東北)に安打を放たれ、二死一、三塁のピンチを作るも無失点で切り抜ける。3、4回は両者共に無得点となるも5回に赤城の4番手・菱川一輝(明大=文2・花巻東)から1番・武川の安打、2番・酒井捷(東大=文II2・仙台二)が右二塁打を放ち無死二、三塁とすると、3番・今泉の適時打で2点を追加する。

中盤からは両者ともに交代が相次ぎ、慶大の選手も続々と出番を迎えた6回、渡良瀬は8番・水鳥が四球で出塁すると盗塁に成功、相手の失策時に三塁まで到達すると続く9番・中津大和(法大=営3・小松大谷)も四球で出塁し一死一、三塁とすると1番・斎藤快が6点目となる適時打を放つ。対して赤城は、渡良瀬の3番手・篠木健太郎(法大=営3・木更津総合)から3番・宗山塁(明大=商3・広陵)が左安打、4番・小澤周平(早大=スポ2・健大高崎)が中安打を放つと6番・西川侑の内野安打、7番・山縣の右犠打により2点追加されてしまう。しかし7回表、大雨により試合が中断。なかなか降り止まない大雨の中、大勢集まった観客を少しでも楽しませようと、待機していた選手たちが動く。両ベンチから堀内祐我(明大= 文4・愛工大名電)を皮切りに内海貴斗(法大= 人環4・横浜)や栗林がバットなどを持って飛び出し、1人ずつ「ホームラン」を放つ演出で会場を沸かす。ホームに帰ってくる時には見事なヘッドスライディングを披露するなど、ずぶ濡れになりながらの懸命なパフォーマンスに多くのファンたちが釘付けとなった。

適時打を放ち、ガッツポーズを見せる斎藤快

栗林はヘッドスライディングでも魅せた

結果として雨天コールドとなり試合終了。渡良瀬が6-3で勝利を飾った。

試合は渡良瀬の勝利とはなったが、渡良瀬が7本、赤城が8本の安打を記録。渡良瀬の浦和博(法大= キャ4・鳴門)らの好守備も目立ち、投手陣も大きく崩れることがなく見応えたっぷりな試合であった。試合前には他校の選手同士での交流を沢山目にすることができ、観客はもちろん、選手たちにとっても貴重な1日となったことだろう。

慶應義塾高校が夏の甲子園で107年ぶりに日本一となり、その応援も注目された中で行われた今回の東京六大学野球オールスター。応援団やチアが試合前から圧巻のパフォーマンスを見せ、試合中断時には選手たちが大雨の中ヘッドスライディングを披露するなど観客を大いに湧かせた。いよいよ9月9日(土)に秋季リーグ戦が開幕し、慶大は2年ぶりの王座奪還に挑む。慶大の選手たちはもちろん、他の5大学の選手たちも万全の準備で秋季リーグ戦に臨むことを期待したい。

(記事:岡里佳、写真:佐藤光、工藤佑太)

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