夏休みにボランティア体験 和歌山県みなべ町社協が企画、中高生らが保育などに挑戦

園児にライフジャケットを着せる山口夏姫さん(右)=和歌山県みなべ町南道で

 和歌山県みなべ町社会福祉協議会の呼びかけで、地元の中学生や高校生らが夏休み期間中、町内の保育施設や高齢者施設でボランティア活動を体験した。さまざまな出会いや発見があり、貴重な経験を実感していた。

 人との出会いやつながり、将来の夢を見つけるきっかけにするとともに、ボランティアを身近に感じてもらおうと企画した。コロナ禍により、実施するのは4年ぶり。今年は40人(中学生29人、高校生8人、一般3人)の申し込みがあった。体験場所はほとんどが保育施設だった。

 みなべ町南道のみなべ愛之園こども園では中学生と高校生が体験した。

 今月上旬に4日間訪れた南部高校3年の山口夏姫さん(18)は、園児がプール遊びをするのを見守ったり、着替えを手伝ったりしたほか、一緒に遊ぶなどした。保育のボランティア体験は初めてで、「子どもに関わる仕事がしたいと思っているので、体験してみたかった。大変なこともあるが楽しかった。体験してみて、子どもに関わる仕事をよりしたくなった」と話した。

 同じころに3日間体験した南部中学校1年の田口果林さん(12)も保育のボランティアは初めてで、「小さな子どもと遊ぶのが好きなので、保育の仕事に興味があった。元気に動き回るので大変だが、かわいいし楽しかった」と述べた。

 ボランティアを受け入れた同園の神谷羊子園長は「ボランティア活動は保育に興味を持ってもらうきっかけになり、社会勉強にもなると思う。私たちも助かり、子どもたちは喜んでいる。いい取り組み」と話していた。

■大人も高齢者施設で体験

 みなべ町埴田の高齢者施設「梅香丘温泉グループホーム」では23日、同町芝の松根まりもさん(25)が体験した。

 松根さんは保険会社で勤務しており、社会貢献できればと申し込んだ。「結婚し紀南に来て2年しかたっていないので、いろいろな人と出会えればと思った。介護の現場を見ることは将来にも役立つとも思った」という。半日だけの体験で、入浴の場を見学するとともに、入居者の話し相手になるなどした。「会話が進まず、難しかったが、いい経験をさせてもらった」と語った。

 受け入れた同施設の管理者、田上美有紀さんは「高齢者施設では働き手が足りないので、まずは興味を持ってもらいそれが就職につながってくれればと思う。就職しなくても、自分の家族のためにも経験しておくのはいいかと思う。大変だというイメージがあるが、楽しみや喜びも感じられることを知ってもらいたい」と話していた。

園児と一緒に遊ぶ田口果林さん(左から2人目)=和歌山県みなべ町南道で
笑顔で入所者に話しかける松根まりもさん(右)=みなべ町埴田で

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