サマーキャンプは家庭とも学校とも違う特別な"居場所" 病児ときょうだいが親元を離れてひと夏の思い出を

病と闘う子どもやそのきょうだいは、コロナ禍で様々な我慢を強いられてきました。
そんな子どもたちに、夏の思い出を作ってもらおうと先日、4年ぶりとなるサマーキャンプが開かれました。

難病の子どもと家族を支援する県内のNPO、「ラ・ファミリエ」が20年ほど前から続けてきたサマーキャンプ。コロナ禍を経て4年ぶりの開催です。

1泊2日の日程で、今年は心疾患などの病と向き合う子どもたちとそのきょうだい20人余りが参加し、初日はスイーツ教室や旗づくりを楽しみました。

原則、保護者の参加が認められていない代わりに、医師・看護師を含むたくさんのスタッフがサポートするこのキャンプ。
普段は水泳の授業を制限されている子どもたちも、思う存分、水遊びを楽しみました。

(ラ・ファミリエ理事長 檜垣高史 教授)
「僕らがいるので、ちょっとチャレンジもしてもらえるかなと思う。そういう意味では楽しい思い出になればいいかなと思います。同じ思いを持ってる子たちが集まって、1人じゃない、みんなで共有できるのは大事な機会かなと思います」

川で遊んだ後は…スイカ割りに挑戦!
病気や障がいの有無に関わらず楽しんでほしいと、スタッフも全力でサポートします。

そして、待ちに待った昼食の時間。
メニューは、子どもたちもお手伝いした栄養たっぷりのサラダと、スタッフ手作りのカレーです。

Q.カレーの味どう?

(参加者)
「おいしい!」

Q.きょうのキャンプ何が一番楽しかった?

(参加者)
「う~ん…ごはん!」

久しぶりに流れる賑やかな時間。
中には、姉弟で子どもの頃から参加しているというスタッフの姿も。

(病児の弟と参加した塩見光莉さん)
「(キャンプは)病気の子もきょうだいも特に区別することもなくて、みんな一緒に遊べる場所だなっていうのは昔から思っていました」

(弟・元康さん)
「このキャンプに来て出来る楽しいことがあるのを知ってるから、参加し続けるんだろうなって」

(光莉さん)
「同じ立場の子がたくさんいることを知ってもらえたらいいなと思います」

主催者の一人、西朋子さんは、このキャンプがかけがえのない出会いに繋がればと話します。

(西さん)
「親から離れるのは大事な時間だと思う。甘える相手がいないけど、親以外に大事な相談できる相手がいたり、そういう人たちに自分のことを話す、すごく大事な機会だと思うので。自分たちの仲間というのが分かって良かったと思う」

家庭とも、学校とも違う特別な"居場所"が、病と闘う子どもとその家族を支えています。

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