【抗菌薬】4割の親が「かぜの時に子どもに飲ませたい」/AMR臨床リファレンスセンター調べ

【2023.08.28配信】AMR臨床リファレンスセンターは2023年6月に、全国の20歳〜59歳の未就学児の親を対象とした「抗菌薬(抗生物質)に関する調査」を実施。今回は、かぜ症状で医療機関を受診する場合の対処方法や処方された薬について、抗菌薬を中心に調査した。その結果、子どもがかぜをひいた時、抗菌薬をのませたいかどうかを聞いたところ、44.4%の方が飲ませたいと思っていることが判明。抗菌薬はかぜを治す薬ではないとして、センターでは親の誤った知識が抗菌薬の不適切な服用につながる可能性があると指摘している。センターは厚生労働省委託事業として、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに基づく取り組みを推進するために設立されている。

センターでは、小さい子どもは熱を出したり、保育園などの集団生活の中でかぜなどの感染症をもらってくるため、医療機関にかかる回数は多く、自ずと処方薬をもらう機会が大人に比べて多くなると指摘。そうした中、その親たちはどれぐらい薬に対して関心を持っているのか、特にかぜをひいた子どもの具合が悪い時には、どのようにしたいと思っているのかを軸に「抗菌薬(抗生物質)に関する調査」を行ったとする。今回は、かぜ症状で医療機関を受診する場合の対処方法や処方された薬について聞いている。

調査方法はインターネット調査で、全国の20歳-59歳の小学生未満(0歳-5歳)の子どもの親を対象とした。有効回答数は500サンプル。調査実施日は2023年6月16日〜6月19日。

その結果、「子どもがかぜをひいたら、抗菌薬をのませたいと思いますか」との設問には、44.4%の人が飲ませたいと思っていることが判明。理由としては、「早く治りそうだから」などがあがった。

そのほか、余った抗菌薬を取っておいたことがある人は半数近くいた。そのうち、6割以上が別の機会に子どもに服用させていた。

さらには、7割近くの人が「抗菌薬はウイルスをやっつける」と誤った認識をしていたという。

センターでは、昨今、話題となっている抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」が起こる要因の一つに、抗菌薬の不適切な使用があげられていると説明。抗菌薬を正しく使用するための第一歩として、子どもにのませる薬を正しく理解することが重要とメッセージを送っている。

© 株式会社ドラビズon-line