●三役復帰に照準
日本相撲協会は28日、大相撲秋場所(9月10日初日・両国国技館)の新番付を発表し、富山市呉羽町出身の朝乃山(富山商高OB、高砂部屋)は西前頭2枚目に座った。先場所で左上腕を負傷して休場するも再出場して勝ち越しを決め、番付を上げた。三役直前の番付となり、年初から目標に掲げてきた「年内に三役」を実現させるための勝負の場所に挑む。
朝乃山は秋場所も役力士との総当たりとなる見通しで、実力が試される場所になる。
東前頭4枚目で臨んだ名古屋場所では、「左上腕二頭筋部分断裂」を負い、8日目から休場した。「来場所につなげたい」との思いで12日目から再出場すると、大関霧島、関脇若元春らを好内容の相撲で撃破して4連勝。8勝4敗3休とし、昨年の名古屋場所で復帰してから7場所連続の勝ち越しとなった。
場所後の夏巡業では左腕の治療を優先するため、多くを休場したが、19日から復帰した。27日に行われた氷見場所(富山新聞社、北國新聞社主催)では「途中出場して勝ち越した先場所を無駄にしないよう頑張りたい」と決意を示し、二桁勝利を目標に据えた。他の力士の成績次第となるが、三役昇進をつかむためには二桁が一つの目安となりそうだ。
巡業では申し合い稽古にも参加し、明生らとも相撲を取るなど、少しずつ実戦形式の稽古も再開。左腕の状態も懸案となるが、秋場所までの残り2週間で調整を進める。秋場所は3大関、3関脇の布陣となり、実力がきっ抗する役力士がしのぎを削る。朝乃山が割って入っていくことができるか、試金石の場所になりそうだ。