茨城・小美玉市が生成AI活用 文書作成業務を効率化

小美玉市役所=同市堅倉

茨城県小美玉市は29日、行政業務での生成AI(人工知能)の本格運用を開始する。職員はあいさつ文、メール、募集、催促書類、答弁書、企画書、提案書、アンケートなどの市の文書作成業務でチャットGPTを活用していく。市は、チャットGPTの活用を通して全庁的な業務効率化を目指す。島田幸三市長が28日、明らかにした。

使用する生成AIは、一般社団法人「デジタル田園都市国家構想応援団」が行政機関向けに無料で提供しているチャットGPT「マサルくん」。公式な行政データから引用できる▽引用資料名とそのページが分かる▽自治体用の安全なネット環境-などの利点があるという。

市のDX推進員や行革デジタル推進課の職員が1日から、実証実験を行ってきた。生成AIの運用に当たって①利用目的の明確化②上司の事前承認③個人情報、機密情報、非公開情報を入力しない④情報の精査⑤差別用語や倫理に反する表現を使わない⑥生成文書の権利の確認⑦チャットの記録・保管⑧問題発生時の迅速な対応⑨適正利用のための所属長らの指導・監督-の9項目のガイドラインを定めた。

市担当者は「(「マサルくん」は)行政事務に特化したチャットGPT。職員の使用状況によって必要なら安全性がさらに高い有料版も検討したい」とし、「いばらき県央地域連携中枢都市圏の9市町村でも勉強会をやって、情報共有を図っていく」と話した。

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