「ホンテ」のゴーストが持つ“怖おもしろさ”をどう表現した? 映画『ホーンテッドマンション』のVFX担当が明かす存在感と距離感の妙

『ホーンテッドマンション』© 2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

創立100周年を迎えるウォルト・ディズニー・カンパニーが、ディズニーランドの人気アトラクションを実写化した、“恐怖”と“笑い”のハイブリッドを体験できる超エンタメ・アトラクション・ムービー『ホーンテッドマンション』が2023年9月1日(金)より公開。

このたび、本作には欠かせないゴーストたちに<命>を吹き込んだVFXスタッフが、ゴースト表現へのこだわりを明かすコメントが到着した。

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本作の舞台は999人のゴーストが住む館<ホーンテッドマンション>。医師である母親と9歳の息子はニューオーリンズで生活を始めるため、壮大だが少し不気味なこの館に引っ越してくる。しかし、この館は何かがおかしい。二人の想像をはるかに超える不可解な出来事が止まらないのだ。

母子は館の謎を解明するため、ゴーストを信じない心霊写真家・ベン(ラキース・スタンフィールド)、調子が良すぎる神父・ケント(オーウェン・ウィルソン)、何かと大げさな霊媒師・ハリエット(ティファニー・ハディッシュ)、幽霊屋敷オタクの歴史学者・ブルース(ダニー・デヴィート)の4人に助けを求めることに。だが、このエキスパートたちも各々ワケアリな面々だった。館に住む999人のゴーストたちと、仕掛けられた数々のトリック。不気味な体験の数々を通して、ついに館に隠された悲劇的な真実に気づき始め……。

「これまで映画に出てきたゴーストを全部見て、それらを分類してみたんだ」

呪われた館<ホーンテッドマンション>に欠かせないのは、見るものを作品の世界観に誘う999人のゴーストたち。一見怖そうにも見えるが、外見は人間。そして、ゴーストになる前は、自分たちと同じように生きてこの世界で暮らしていたのだろう。思わず背景を想像してしまうような微かな“生気”を纏っているところが、この館に住むゴーストたちの特徴だ。

そんなゴーストたちを実写映画の中で生き生きと(?)表現してみせたのが、本作のVFXスーパーバイザーを務めるエドウィン・リベラ。本作のVFXを手掛けるにあたって、「直接インスピレーションを受けたのは、アトラクション内で見られる≪果てしなく続く廊下≫だよ。それに、ゴーストがそこにいるようであり、いないようでもあると感じさせるアトラクションでの見せ方だね」と彼が語る通り、ディズニーランドが誇る人気アトラクションでおなじみの要素に加え、観客とゴーストの“距離感”のような部分まで考え抜いたという。

さらに、「そこにゴーストがいるのが見えて、それが部屋の中にいるように感じるんだ。でも、それは明らかに別世界のもので、必ずしも嘘っぽく感じない。それが監督(ジャスティン・シミエン)の目標だったと思う。ゴーストをリアルに感じられて、実際にその部屋にいるように感じさせることはね」と明かすエドウィン。

別世界のものだけど、リアリティがある――そんな絶妙なバランスで描かれるゴーストたちは、“ちょっと怖いけど、どこかユーモラス”という、本作の世界観がそのまま表現されたような存在だ。ではそのゴーストたちを、どう映画で描くのか? ジャスティン監督とかなり早い段階で話し合っていたというエドウィンは、その過程についても明かしてくれた。

「よし、これまで映画に出てきたゴーストを全部見て、それらを分類してみよう」となってね。「こんな感じのゴースト、もっとCGっぽいゴースト、もっと透けて見えるゴースト、そこに立っているゴーストなどがあるけど、どの組み合わせがいい? どれを自分たちの映画に使いたい?」という風に話し合った。

そして、僕たちが思いついたのは、ゴーストの格好をしたフルメイクの俳優たちに、僕たちがエクトプラズムの発泡性と呼ぶものを加えることだった。それは彼らにとって(ホタルのような)生物発光みたいなものなんだ。彼らが動くと、そこからパーティクル(粒子)が出てきて、よりゴーストっぽく見える。影の部分では透けて、その下の骨格が見えるようになるんだ。

実際の俳優の演技をさらに際立たせるために、僕たちはそういったちょっとしたことをいろいろやった。「彼はそこにいるの? いないの? 彼は私たちの世界にいるの? 私たちが彼の世界を見ているの?」と感じさせたかったんだよ。

『ホーンテッドマンション』は2023年9月1日(金)より全国公開

怨念が宿る館に集った人々の恐怖を描く『ホーンティング』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2023年9月放送

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