「光栄、さらに精進」 大相撲秋場所、父に並ぶ関脇昇進の琴ノ若

大相撲秋場所の新番付で新関脇に昇進し、佐渡ケ嶽部屋の看板の前でポーズを取る琴ノ若=千葉県松戸市

 大相撲秋場所の新番付が発表された28日朝、師匠であり父である親方が「おめでとう」の言葉と共に贈ったのは「すぐ俺を超えていけ」とのエールだった。佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若、尾花沢市出身)の長男で25歳の琴ノ若は新関脇に昇進し、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で、親方と記者会見に臨んだ。琴ノ若は「まだまだ上(大関、横綱)がある。入門当初からそこを目指してきた。変わらず精進していく」と意気込んだ。

 師匠の最高位に並び、琴ノ若は「すごく光栄だし、自信になる。関脇・琴ノ若を復活させることができて、うれしい」と笑みがこぼれた。報道陣からはさらなる飛躍を期待する質問が相次ぎ、佐渡ケ嶽親方は後半に6連勝して11勝を挙げた先場所を振り返り、「後半のような迷いのない、攻める相撲を取りきれば(大関昇進は)すぐ見えてくるのではないか。攻めて勝てる自信を持った時、力を最大限出せる」と分析した。琴ノ若は「前に出る相撲を取り、自分の持てる力を出し切りたい」と秋場所の目標を語った。優勝についても「三役入りして勝ち越せるようになって少しずつ自信が付いた。自分も優勝できると思って毎場所臨んでいる」と話した。

 祖父は元横綱・琴桜(故人)で、大関以上になれば琴桜の襲名を許すと約束していたといい、琴ノ若は「約束を守れるようになりたい」と力を込め、佐渡ケ嶽親方は「私と並ぶのではなく、1場所でも早く先代の琴桜に並び、名乗ってほしい」と一層の精進を求めた。

【プロフィル】琴ノ若(ことのわか) 本名は鎌谷将且(まさかつ)。千葉県松戸市出身、佐渡ケ嶽部屋。父は師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若、尾花沢市出身)、母方の祖父は元横綱琴桜。埼玉栄高から2015年九州場所初土俵。19年名古屋場所新十両。20年春場所新入幕。幕内在位20場所で155勝116敗14休。敢闘賞4回。得意は右四つ、寄り、押し。189センチ、176キロ。25歳。

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