国体九州ブロック ラグビー成年男子 組織的な守備が機能、日本一に向けて好発進 【大分県】

国体九州ブロックで、ラグビー成年男子は3連勝で鹿児島国体の出場を決めた。首藤三四郎監督は「日本一が目標なので、ここは通過点。結果は出たが、試合内容には満足していない。個人能力の高さで勝ったが、全国上位のチームと対戦するとなればチームの規律が必要。本大会までの残り期間で仕上げたい」と厳しい言葉を並べたのは、本気で日本一を狙っているからだ。

県代表は15人制の九州トップクラブリーグに参加する玖珠クラブと大分クラブのメンバーを主に構成されている。国体は7人制のため、6年ほど前からクラブ活動以外の日に週1回集まって練習してきた。「仕事をしながら、さらにクラブでの練習以外の活動となるので4、5人しか集まらないときもあるが、県代表としての自覚を持っている。モチベーションの高い選手の集まり」と首藤監督。少数精鋭だからこそ、同じベクトルで目標に向かい、コンセプトも共有できる。ただ、決して門戸を狭めているわけではない。「やる気がある人はどんどん練習に参加してほしい。誰にでもチャンスはある」と新たな選手の加入を歓迎する。

組織的な守備が機能した

「年々、チーム力は上がっている」と話すのはキャプテンの渡辺晃行(玖珠クラブ)。国体九州ブロックでは山本耀(専修大2年)ら若い選手が加わり、今回は代表活動で参加できなかった7人制日本代表の薬師寺晃(キヤノンイーグルス)ら即戦力もメンバーに加わった。長い期間をかけてプレーしてきた主力選手の阿吽(あうん)の呼吸に同調するのはまだ時間がかかりそうだが、個人の力を存分に発揮し、スピードやステップワークでトライを奪う場面があった。

国体九州ブロックでは、宮崎に21-7、沖縄に24-0、福岡に35-5で勝利。攻撃では個人のアタック力が目立ったが、3試合で12失点と組織的な守備が機能した。「一発目のタックルで足を止めて倒し、サポートが速く、ターンオーバーにつなげることができた」(首藤監督)のは収穫だ。昨年の栃木国体は4位。2019年茨城国体では準優勝。悲願の日本一に向けて、チームの雰囲気はいい。鹿児島国体に向けて、渡辺は「これまでやってきたことを出せば負けることはない。プレー精度を高めるのはもちろんだが、最後は気持ち。根性ラグビー、走り負けないラグビーで本気で日本一を狙う」と力強く宣言した。

3連勝で国体出場を決めた

(七蔵司)

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