中国からの迷惑電話、茨城県内にも 原子力科学館や自治体に

迷惑電話(イメージ)

東京電力福島第1原発の処理水が海洋放出された24日以降、茨城県内の自治体や施設に対し、中国発信の嫌がらせとみられる迷惑電話がかかっていることが28日、分かった。中国語で一方的に話し、内容については判然としないものの、処理水放出に対する抗議とみられる。これまでに業務への影響は確認されていない。

いずれも、国際電話で中国の国番号を示す「86」からの電話だった。

このうち、東海村村松の「原子力科学館」には24~26日の3日間で、計数十件の電話があった。日本語の「もしもし」で始まり、中国語でまくし立てられた後、無言となって電話が切れたり、録音とみられる日本語の音声で「汚染水をなぜ流すのか」などの内容が流れたりしたという。

原子力科学館は、原子や元素、放射線に関する展示を通じて、原子力の知識が学べる施設。原子力関係の企業や研究機関、自治体などでつくる茨城原子力協議会が運営する。

また、北茨城市には24日夜から電話がかかり始め、市総務課によると、電話の声はいずれも中国語で、10件以上かかってきた日もあったという。28日にも日中に1件あった。

このほか、水戸市には24日以降、日中や夜間に計10件程度の迷惑電話があった。日立市にも放出後の週末に10件程度の迷惑電話があり、大洗町では25、26日の夜間に計13件の電話があったという。

原子力科学館=東海村村松

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