茨城県教員試験、5月に前倒し 24年度 志願者増目指す

公立校の2024年度教員採用試験について発表する森作宜民教育長=県庁

■大学3年も年末に

茨城県教委は28日、2024年度の教員採用試験の1次試験を約1カ月前倒しし、5月12日に実施すると発表した。公務員試験や民間企業の採用選考と時期を合わせることで志願者を増やし、優秀な人材の確保につなげたい考え。小学校教員の採用試験については、新たに大学3年生も23年12月に1次試験を受験できるようにする。

森作宜民県教育長が定例記者会見で発表した。

県内の小中学校などの教員採用試験の1次試験は、23年度は6月25日だった。24年度は1カ月以上前倒しし、5月12日に実施する。2次試験は7月ごろに、合格発表は8月ごろにそれぞれ前倒しする。

教員採用を巡っては、全国的に志願者が減少している。公務員試験は4~5月に、民間企業は6月に採用選考が始まり、先行される形となっている。文部科学省は全国の教育委員会に対し、24年度1次試験は6月16日を標準にすると決定し、できるだけ試験日を早めることを求めていた。

県教委は大学4年生の教育実習が5月中旬から6月中旬にかけて行われることなどを考慮し、標準日より約1カ月早く設定した。

他県でも24年度試験の前倒しを進めている。これまでに静岡が5月11、12両日に実施することを決めた。このほか、6月15日に愛知や三重、岐阜。6月16日に福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄が実施する。

県内小学校の教員試験では、大学3年生も1次試験の教職専門試験を23年12月17日に受験できるように設定した。合格者は24年度1次試験では、専門教科試験のみの受験となる。

茨城県の小中高と特別支援学校を合わせた志願者数は13年度は約3千人だったが20年度は約2500人に減り、採用枠も拡大したことから、倍率は過去最低の2.72倍となった。その後、1次試験会場を県外にも設けるなどして、3千人台に回復したものの、倍率は3倍余りにとどまっている。

森作教育長は「今後も教員が働きやすい環境づくりを進める。他県の人も茨城の教員を志願してほしい」と話した。

【茨城県公立校教員採用試験の前倒し】
実施内容 24年度  23年度
出願期間 3月中   4月7~28日
1次試験 5月12日 6月25日
1次結果 6月ごろ  7月19日
2次試験 7月ごろ  8月18~20日
2次結果 8月ごろ  9月29日

小学校教員試験は大学3年生を対象に23年12月に前倒し。合格者は24年度1次試験のうち教職専門試験を免除、専門教科試験のみ受験とする

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