16年ぶりの新たなリーダーは?立川市長選 市政の“継承の是非”は

16年ぶりの新たなリーダーは誰に?8月27日に告示された立川市長選挙は、新人5人が立候補する乱戦となっています。

立候補しているのは、いずれも無所属・新人で届け出順に、伊藤大輔さん、酒井大史さん、清水孝治さん、金村誠さん、野口園子さんの5人です。

今回の市長選の主な争点としては、少子高齢化にむけた対策や、交通インフラの整備などが挙げられています。さらに、4期16年続いた現在の市政の継承の是非について議論が繰り広げられています。5人それぞれの選挙戦を取材しました。

清水孝治さんは都議会自民党の総務会長を務め、自民党の推薦とともに現職の清水市長から後継指名を受けています。清水さんは「バトンタッチ」を強調し、現在の市政を継承することで安定した行政を進めると訴えています。

酒井大史さんは都議会立憲民主党の団長を務めた経歴がありますが、今回、政党からの推薦を受けず、幅広い層に支援を呼びかけています。酒井さんは「市政の停滞感」を指摘し、新たな市政へ刷新する必要があると訴えます。

伊藤大輔さんは元立川市議会議員で、地域政党・都民ファーストの会と国民民主党の推薦を受けています。伊藤さんは自身が「新たなエンジン」になるとアピールし、現在の市政については「是々非々」の立場を表明しています。

東京拘置所に拘留中で、記者の金村誠さんは「子どもの連れ去り問題」を市報で知らせていくことを、公約に掲げています。

コンサルタント会社を経営する野口園子さんはボランティア活動の手続きが、スムーズになるよう行政の改革を訴えています。

では立川市長選挙の構図はどうなっているんでしょうか?

今回の選挙は立憲民主党の都議会議員だった酒井さんと自民党の推薦を受ける清水さんとの戦いに、都民ファと国民民主の推薦を受ける伊藤さんが割って入る構図となっています。

こちらは一昨年の都議会議員選挙の結果ですが、上位2人の差はわずか163票でした。今回も接戦が予想されていますが、ここで注目されているのが「公明党の票の行方」です。近年の選挙結果から「公明票」は1万票ほどとみられ、今回も大きな影響を与えると言えます。また今度の選挙は、公明党が自民党と選挙協力を解消すると表明してから初めての都内における首長選挙となりますので、その点でも公明票の行方が注目されています。そこで自民党推薦の清水さんの陣営に確認したところ、両党の緊張関係を考慮し公明党に正式な推薦依頼は出さず、市議会の現場レベルでの選挙協力を求めているということです。一方で公明党本部は正式な推薦依頼がないことから、今回は「自主投票」に決めたと話しています。

鈴木哲夫さんは「自公の関係は大きいです。他の地方選挙(補欠選挙)を見てみても、自民党はトップでの当選はできていない。影響は出ている。どういう票の出方をするかで次の総選挙での自公の協力に関係すると見ています」と話します。

そして今回、TOKYO MXは選挙ドットコムと共同で立川市長選挙の「投票マッチング」を行います。政策に関する複数の設問に答えることで、有権者が自分の考えに近い候補を調べることができます。選挙ドットコムのサイトから見ることができますので、立川市の有権者の方は、投票先を決める際にぜひご活用ください。

注目の立川市長選挙は9月3日に投開票となります。

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