期待の星、父と肩並べ 「関脇・琴ノ若」再び―沸く県内関係者

大相撲秋場所の新番付で関脇に昇進した琴ノ若関(左)。師匠で父の佐渡ケ嶽親方も笑みをこぼした=千葉県松戸市・佐渡ケ嶽部屋

 「この勢いで、てっぺん(横綱)を目指してほしい」。28日に発表された大相撲秋場所の新番付で、琴ノ若関=佐渡ケ嶽親方(元琴ノ若、尾花沢市出身)の長男=が関脇に昇進した。最高位が関脇だった父と肩を並べ、大関とりへ来場所以降も重要な場所が続く。県内の関係者は昇進を喜ぶとともに、さらなる出世に向け期待を膨らませている。

 佐渡ケ嶽親方の出身地、尾花沢市に住む、親方の両親の今野芳夫さん(87)、とき子さん(84)は昼のニュースで吉報を知った。とき子さんは「ずっと発表を待ちわびていた。(母方の祖父が元横綱琴桜、父が元関脇という)重圧の中、よくここまできた」と目を細めた。

 新三役から4場所連続で勝ち越すなど安定した成績。「楽な勝ち方を覚えればいいのにと思うこともあるが、正攻法にこだわり力をつけたからこそ、今があるのだろう」と芳夫さん。親方から贈られた「祝 関脇琴ノ若関」とプリントされたタオルを手に、「教えや忠告を受け入れる素直さがあるから強くなれる。このまま稽古を重ねれば、大関や横綱も見えてくる」と期待を込めた。

 佐渡ケ嶽部屋と琴ノ若関の両後援会長を務める、食品スーパー・おーばん(天童市)の二藤部洋社長(74)には親方から早速、関脇昇進の知らせと「今年中に(大関に昇進し)琴桜のしこ名を襲名できるように頑張らせたい」とメッセージが届いた。大関昇進は直近3場所で合計33勝が目安。二藤部社長は「親子3代で関脇となったことを大変うれしく思う。前に出て勝つ相撲の型ができつつあり、あと2場所続けて10勝以上をつかんでほしい」と激励した。

 おーばん各店では28、29の両日「お祝いセール」を開催。天童市のおーばん久野本店では、売り場にのぼりを掲げて祝福している。9月5日には琴ノ若関と佐渡ケ嶽親方を招き、同市の滝の湯で祝賀会が開かれる。

琴ノ若関の関脇昇進を喜ぶ祖父母の今野芳夫さんととき子さん=尾花沢市
琴ノ若関の関脇昇進を受け、売り場にのぼりが掲げられた=天童市・おーばん久野本店

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