DJ SODA事件は青汁王子、4630万誤送金事件はヒカル…問われる“当事者”のYouTuber出演の是非

(写真:時事通信)

世間から批判を浴びているDJ SODAへの性暴力事件。刑事告発された犯人が出頭前に青汁王子こと三崎優太氏のYouTuber動画に顔出しで出演し謝罪したことも話題を集めているが、その是非が問われている。

DJ SODAは8月13日に出演した音楽フェスで胸を触られる被害に遭い、フェスの主催会社は21日に男女3人を不同意わいせつなどの容疑で警察に刑事告発していた。

その同日20時、正式に事件化されたことを受けて、三崎氏は自身のYouTubeチャンネルに、「【顔出し謝罪】DJ SODA性被害の犯人を警察に出頭させました」と題した動画をアップ。

経緯として、DJ SODAを触ったという男性2人が働く会社の社長から謝罪の場をほしいと相談を受け、自身も同フェスに参加していたことから承諾したと説明。動画の中で、男性2人は今回のことについて謝罪し、触った経緯についても「テンションがまず上がってました」「お酒を結構飲んでしまって軽い気持ちでやってしまったなと思います」とそれぞれ告白した。

最終的に“ケジメ”として、動画の撮影終了後に出頭する意思であることを明かし、実際に2人が三崎氏に付き添われながら都内の交番に出頭する様子もおさめられていた。

騒動後、ネットでは“犯人探し”が過熱していたこともあり、この動画はたちまち話題に。しかし、出頭前に被害者であるDJ SODA本人ではなく、動画に出て世間に謝罪するということについて、疑問の声が相次いだ。

《別に世間に謝る必要ないと思うんだけど…罪を償った後にyoutuberデビューする布石にしか思えない…》
《なぜ青汁さんがこの動画を投稿する必要があるのか全く理解できません。》
《私にはわからない…。どうしてYouTube、またこの人のチャンネルで謝罪してるの。謝罪をすべき相手は被害者だし、さっさと出頭すればいい。ただ、反省してるという姿を世間に見せて、あの出回ってる写真から印象を変えることには、一役買ったかんじだね。》

そんななか、世間を大きく騒がせた事件の当事者を動画に出演させていたYouTuberとして思い起こされるのが、昨年起きた“4630万円誤送金事件”の田口翔氏を自身のYouTubeチャンネルに出演させた、ヒカル(32)である。

’22年4月、山口県阿武町がコロナ渦で困窮する世帯への支援金4630万円を誤送金してしまい、受け取った田口氏が返金に応じなかったことで逮捕・起訴された事件だ。大バッシングを受けた田口氏に対して、ヒカルは保釈後に動画に出演させただけでなく、自身の会社で正社員として雇用もしている。

手を差し伸べた経緯について、ヒカルは田口氏の弁護士から、町への返済金である約340万円の資金を提供する“ホワイトナイト”になってくれないかという打診を受け、了承したと動画で明かしている。一方でヒカルは田口氏を受け入れた理由について、慈善事業ではなく「広告塔」として商業利用するためだとも動画で語っている。

このように、世間を大きく騒がせた事件の当事者を自身の動画に出演させた三崎氏とヒカル。両者ともに当事者の更生を手助けしている面もあるかもしれないが、“商業利用”しているという批判も少なくない。

《ヒカルといい青汁王子といい、罪を犯した人に救いの手を差し伸べるムーブはクソだと思う》
《青汁もそうだし、ヒカルもだけど余計な奴らが自分達の利益の為に利用してんのマジでしょうもない》

一方で、《再生数とチャンネル登録伸ばしたいのは事実なんだからそこをはっきりと言えば青汁さんは批判少なくなるよ ヒカルは金儲けのためってはっきり言うから批判されないんだよ》と三崎氏とヒカルの違いを指摘する声も一部ではあった。

インフルエンサーの力を借りた当事者たちがどう歩むのか。重要なのは、“その後”ではないだろうか。

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