齊藤工監督「みんなの腸内環境を良い状態に、作品に繋がる」

窪田正孝主演で、神津凛子の長編小説を実写化した映画『スイート・マイホーム』。そのメガホンをとった齊藤工監督が8月25日、大阪市内でおこなわれた先行上映会にサプライズで登壇。観客たちを驚かせた。

映画『スイート・マイホーム』大阪先行上映会に登壇した齊藤工監督(8月25日・大阪市内)

斎藤工名義で映画やドラマで俳優として活躍する一方、監督やプロデュース業でも多彩な才能を発揮している齊藤監督。その最新作は、主演の窪田のほか、蓮佛美沙子、奈緒、窪塚洋介ら実力派俳優たちが織りなす予測不能のホラーミステリーとなっている。

この日は、朝から関西のテレビ番組の出演が相次ぎ、「『ツカミはないのか?』みたいな空気が耐えられないとこはありますよね・・・」と話し、「『で、オチは?』と求められていることを肌で感じるとき、背筋が凍る思いがしました(笑)。当たり前にスタッフの方も含めて、みなさんの会話がしっかりオチに向かうことが素晴らしいです」と、関西人のトーク術に感心した様子。

2019年冬に、映画化のオファーを受けたという齊藤監督。「目を覆いたくなる描写が多い、容赦のない原作で、自分には難しいのではないかと。しかしコロナ禍に入り、ステイホームという期間に聖域である『自宅』という場所が、人によっては逃れられない環境であることを報道などで知り、改めて『自宅』について向き合わされました。そんなタイミングでお話をいただいていることは、もしかしたら必然なんじゃないか・・・」と変化したという。

また、「食べるものと体とクリエイティブは直線で繋がっていると考えている」という齊藤監督。今回の現場では、「コロナ禍になってから腸活とか菌活を日々しているんですけど、偶然、窪田さんや窪塚さんもそういう意識の高い方たちで、現場中はオーガニックなお弁当を差し入れたり、みんなの腸内環境をより良い状態にすることを心がけました。それが作品の仕上がりに繋がるということが今回、実証された気がします」と語った。

最後に「今の映画業界、アメリカのストもありますが時代の変わり目にあると思います。この作品はキャスト、スタッフがコロナ禍でどうなるか先が見えないなかで、しっかりと現場を守りながら撮影をさせてくれました。彼らの汗はこの作品に滲み出ていると思います。そんな見えない力や見えない才能の思いをみなさんが受け取ってくださることが最大の僕らの報い。ぜひ楽しんでください」と締めた齊藤監督。同映画は9月1日に公開される。

映画『スイート・マイホーム』

2023年9月1日公開
監督:齊藤工
出演:窪田正孝、蓮佛美沙子、奈緒、窪塚洋介、ほか
配給:日活、東京テアトル

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