防災の日(9月1日)を前に、岡山市は27日、南海トラフ巨大地震を想定した総合防災訓練を市内4カ所で開いた。市民や市職員ら約620人が参加し、避難所で使う資機材の使い方や人命救助の手順を確認した。
訓練は、同日午前8時に南海トラフを震源域とする地震が発生し、市内で最大震度6強を観測。多くの地域で家屋が倒壊し、沿岸部では高さ2メートルの津波が発生した―と想定して4区に1カ所ずつ会場を設けた。
メイン会場の横井小(北区横井上)では、地元住民ら約200人が簡易トイレや多目的テントの使用方法を教わったり、人形で心肺蘇生法を体験したりした。起震車による地震体験や消火器講習などもあった。
横井学区連合町内会の国吉利博会長(75)は「災害が起きたら勇気を出して避難することが大切。訓練で学んだノウハウを地域に蓄積し、今後の防災に生かしていく」と話した。
中区は幡多小、東区は古都小、南区は芳田小で行われた。
市は2017年まで県の総合防災訓練に参加し、19年から独自に開いている。西日本豪雨が発生した18年は開催を見送った。