THE SUPER FRUIT、ツアー初日に“アリーナ”目標宣言! 個性豊かな“7色”見せた「Seven Summer Tour」

THE SUPER FRUITが、8月11日に東京・豊洲PITで全国ツアー「1st ONEMAN TOUR – Seven Summer Tour2023」の初日公演を開催した。

ライブのスタートを合図するように幕の前に登場したのは、ステッキを手にした田倉暉久。スパンコールが輝く新衣装を身につけた田倉がキレのあるダンスを披露するとステージを覆っていた幕が上がり、客席の期待感は最高潮に。幕の奥にはパステルカラーの家屋が並ぶ“テーマパークのようなキュートな街”がステージセットとして展開されており、田倉に続いて堀内結流、星野晴海とメンバー一人一人がダンスを踊りながら姿を現していく。

7人全員がステージにそろい、アップルカラー担当の小田惟真が「ようこそ! Seven Summer Tourへ」という呼びかけて始まったのは「パノラマ」。この曲はツアー用にオーケストラ調のアレンジが加えられており、壮大な音色に乗せて7人は息の合ったダンスを披露して、“フルファミ”の喝采をさらう。1曲歌い終え“桜の木”をかたどるフォーメーションを組んでスタートしたのは2ndシングルの表題曲「サクラフレフレ」。この曲ではメンバーがステージに置かれた7色のボックスを使い、曲の進行に合わせて「サクラフレフレ」「LOVE」といった文字をオーディエンスに見せ、ツアーならではの演出でオーディエンスを楽しませた。

田倉が「新曲披露します」と宣言し、喜びの歓声が上がる中で披露されたのは“学校のチャイム”をモチーフにしたキャッチーなサウンドで始まる「SCH。。L!」。さらに、ロックナンバー「馬鹿ばっか」に次いで披露された「Someday」では、傘を手にしたしっとりとしたダンスが繰り広げられた。

新曲披露や新パフォーマンスに次いでフルファミたちを驚かせたのは、メンバー個別のソロパフォーマンスのコーナー。トップバッターを務めた小田はフーディーのフードをかぶり、ビートに合わせて流暢(りゅうちょう)なラップを畳み掛けるという、これまでのイメージを裏切るスタイルでファンを熱狂させた。このまま各自の歌唱が続くかと思いきや、田倉は“ライブ当日に豊洲PITに迷い込んだ”という設定の下、謎を解く小芝居を展開。さらに、白衣を身にまとった”宇宙好き”の堀内は、ブラックホールをテーマにトークをするだけという異色のパフォーマンスでファンを笑わせた。

続く鈴木は「結流と牛丼を食う」を何度も繰り返すフリースタイルで場をつなぎ、晴海は特技のピアノでショパン「子犬のワルツ」を弾き、流麗な旋律を会場内に響かせた。和装で登場した松本は、まくし立てるようなトークを繰り広げながら正座でお茶を立てる謎のパフォーマンスで会場を沸かした。

それぞれのメンバーが個性豊かな出し物で観客を楽しませる中、ラストを飾った阿部は、スタンドマイクを用いてGENERATIONS from EXILE TRIBE 「片想い」を歌うストレートなパフォーマンスで大人の魅力をファンに伝えた。各自のソロが一段落すると、7人は再びステージに集結。ここで披露されたのはツアー初出しの新曲「Juicy smile」であり、スパフルはあの手この手でツアーの来場者にグループの“フレッシュな魅力”を届けていた。

コロナ禍にデビューしたスパフルにとって“声出しOK”のライブは珍しく、彼らは「やってみたいこと」の一つとしてオーディエンスとコール&レスポンス合戦をすることに。会場内をメロンチームとオレンジチームに分けた彼らはコールの大きさで競い合い、その勢いのまま「君はリアコ製造機」「サマー☆★げっちゅー 」のパフォーマンスへとなだれこむ。これら2曲はどちらも、グループのムードメーカー的存在である堀内がボーカルに参加した楽曲で、7人は元気いっぱいなパフォーマンスを展開。9月リリースの新曲「サマー☆★げっちゅー」ではメンバーが浮き輪、麦わら帽子、虫取り網といったアイテムを手に取り、季節感たっぷりの演出で夏らしさを演出した。

マイクを手にした星野の「それでは聴いてください」という曲紹介から披露されたのは、スパフルの知名度を爆発的に広めた代表曲「チグハグ」。他者と違うことを許容する“寛容”を歌うこの曲は多くの若者の心をつかみ、会場内は不思議と心地よい温かな空気感に包まれる。ライブ本編の最後にスパフルは、グループの“始まりの曲”でもあるプレデビュー曲「Seven Fruits」を披露。普段はグループの自己紹介的なナンバーとして、ライブの冒頭に歌唱されることが多いこの曲を、あえて最後に持ってくる意外性のあるセットリストでファンを喜ばせた彼らは、ライブの幕が閉じるのを惜しむかのように最後の一節を繰り返し歌い、最後まで歌声を真摯(しんし)に届けていた。

アンコールでは、メンバー一人一人がデビューからこれまでの歩みを振り返るMCを展開。結成からわずか1年という短いスパンで知名度を一気に上げた彼らだが、そのスピード感や活動の規模感について行けなかった時期があったことが明かされた。

現在は迷いの時期を抜け、自分たちの置かれた状況と向き合い、前向きに活動していることを伝えたスパフル。グループのセンターを務める小田は、豊洲PITという大きな会場でツアー初日を開催できたことを喜び、涙をこらえながら「僕たちの夢をここで公言しようと決めました。僕たちTHE SUPER FRUITは本気でアリーナ公演を目指します」と目標を掲げた。会場内が彼らを祝福する大きな拍手と歓声に包まれる中、スパフルはこの日最後の楽曲として「ボクらの夜明け」を歌唱した。

最後に小田と共にグループのメインボーカルを務める田倉は「今日来てくれたみんなを1人も残さずアリーナまで連れていく」とあらためて宣言。初めてのワンマンツアーの初日公演は数多くの“フルファミ”に祝福されながらフィナーレを迎えた。

【セットリスト】

01. Opening Dance
02. パノラマ(オーケストラver.)
03. サクラフレフレ
04. SCH。。L!
05. スパフル00 FULL(Dance Section)
06. 馬鹿ばっか(オーケストラver.)
07. Someday(Jazz ver.)
08. 素敵なMy Life (アップテンポver.)
09. ソロメドレーコーナー
◆小田惟真 ダンス&Rap (自主制作音源)
◆田倉暉久 演技
◆堀内結流 宇宙語り
◆鈴木志音 おふざけRAP
◆星野晴海 クラシックピアノ伴奏 ショパン「子犬のワルツ」
◆松本勇輝 お茶のお手前
◆阿部隼大 歌 GENERATIONS from EXILE TRIBE 「片想い」カバー
10. Juicy smile
11. 君はリアコ製造機
12. サマー☆★げっちゅー!
13. チグハグ
14. Seven Fruits
EN01. 学園天国
EN02. ボクらの夜明け(ストリグスver.)

撮影/上溝恭香

© 株式会社東京ニュース通信社