そごう広島店の新館 営業終了まであとわずか

8月31日で営業を終えるそごう広島店の新館。残り3日となった8月29日も買い物客からは閉店を惜しむ声が聞かれました。

■利用者

「便利がいいので新館は残しておいてもらいたい」

「今後どうなるのか心配。なくなるのではなく本館は残るので、どうなるのか期待している」

新館は、本館開店20周年となる1994年に営業を開始。紙屋町一帯を代表するデパートとして、多くの買い物客でにぎわってきました。

その一方で進むデパートの凋落。大型ショッピングセンターの台頭などもあり、苦戦を強いられます。1992年に開業した「福山そごう」は、わずか8年で閉店。広島市中心部では、天満屋広島八丁堀店も2012年、半世紀以上の歴史に幕を下ろしました。売り上げの減少が主な原因です。市場調査の専門家は、「広島のデパートは、流行に敏感な若者を取り込めていない」と指摘します。

■広島修道大学 商学部 川原直毅 教授

「(そごう広島店の)新館があまりに若者の利用がない。百貨店は文化を売るのが根本的な使命。東京の伊勢丹新宿本店はこれから流行するものを先取りして、その影響は大都市部には広がってくるが、残念ながら(流行が)大阪から福岡に飛ぶ」

そごう広島店は、建物の賃借契約が満了する新館にある一部の売り場を本館に移すなど、改装を進めます。紳士用品を子供服と同じフロアにするなど、家族で一緒に買い物しやすい売り場を目指すとします。

一方、新館は8月31日の営業終了まで売り尽くしセールを開催。本館は、改装の完了予定を2025年春としています。

【2023年8月29日放送】

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