茨城県内観光客4963万人 22年、消費額最高2958億円

土浦全国花火競技大会で夜空を彩るワイドスターマイン=土浦市の桜川畔(2022年11月5日撮影)

2022年の茨城県内観光入り込み客数が前年に比べ25.0%増の4963万5千人だったことが29日、県のまとめで分かった。コロナ禍前の19年に比べると約2割下回った。宿泊や飲食など観光消費額も前年から伸び、過去最高の2958億4800万円だった。県は10月からのデスティネーションキャンペーン(DC)などを踏まえ、「今年はさらなる回復」を見込んでいる。

入り込み客数は、県内の観光地189地点とイベント255地点を対象に調査した観光客の総数。県観光物産課によると、19年の入り込み客数は1970年の調査開始以降、最多の6443万4千人だった。

同課によると、22年はともに3年ぶりの開催となった「土浦全国花火競技大会」に約45万人、「石岡のおまつり」に約42万人がそれぞれ来場。21年に開業した「道の駅かさま」も前年から43万人増となるなど、多くの施設で観光客数が上昇した。

宿泊や飲食、土産品への支出などに基づく観光消費額は前年比29.1%増で、これまで最高だった16年の2730億円を上回った。10~12月のプレDCや旅行支援事業の「いば旅あんしん割」による宿泊需要の高まりなどが消費を押し上げたと分析された。

今夏開設の14海水浴場を訪れた海水浴客は、7月15日~8月20日の37日間で計45万383人。19年度と同水準だった。猛暑に加え、台風7号接近に伴う遊泳禁止措置などが響き、前年から2.9%減った。

同課によると、23年1~5月の宿泊者数は前年から1割ほど増加傾向にあるという。10月からのDC開催を控え、同課は「国内外からの観光需要をさらに取り込んでいきたい」としている。

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