メタ空間のビジネス探る 「ヤマガタ研究所」スタート、若手が新たな事業に挑戦へ

リアルメタバースのデモンストレーションがあった発表会=県庁

 次世代の本県を支える若者にビジネスプランを磨いてもらう「ヤマガタリアルメタバース研究所」の発表会が29日、県庁で開かれた。若者が、バーチャル空間とリアル空間を組み合わせたリアルメタバース上で自ら考えたプランの実証実験に挑み、新たな事業や商品、サービスを生み出すことを目指す。

 県によるソーシャルイノベーション創出モデル事業として、環境アーティストのサイヒロコさんが取り組む人材育成プログラムの一環。協賛企業の協力を得て研究所を運営する。

 現時点で山形工業高と鶴岡工業高の生徒、山形大VR部やモンテディオ山形U―23マーケティング部の学生が参加を表明している。10月からは山形市のジョージ山形などで開くイベントで、リアルメタバースやデジタル技術に触れる機会を提供し、広く若者の参加を募る。

 県や県企業振興公社は若者が集まり、切磋琢磨(せっさたくま)して事業を生む場「共創の拠点」をつくることで、若者が興味を持つ産業の育成と県内定着につなげることを狙う。実現可能性の高いビジネスプランは自走できるよう支援する。

 発表会で、同事業チーフコーディネーターの小野寺忠司山形大アントレプレナーシップ教育研究センター長が事業概要を紹介し、「山形はコンテンツが豊富で、それを活用すれば、いろいろなことができそう」と話した。サイさんは「世界につながるメタバース空間を使い、山形を広く発信したい」と語った。リアルメタバースのデモンストレーションもあった。

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