EV用電池生産 AESC新工場完成 来秋第2棟も 国内最大級へ 茨城町

国内最大級のEV向けバッテリー工場となるAESCの茨城工場=茨城町の茨城中央工業団地

電気自動車(EV)用電池製造を手がけるAESC(神奈川県座間市)は茨城県茨城町の茨城中央工業団地に茨城工場を完成させた。関係者に29日、お披露目した。2024年3月に量産を始める。拡張計画も発表し、第2棟を隣接地に約500億円かけて24年秋に完成、拡張する土地に第3棟の建設も予定。茨城を主力のマザー工場に位置付ける。

EV向けリチウムイオンバッテリーを手がける同工場の年間生産能力はEV(60キロワット時)約10万台分に当たる6ギガワット時で、日産自動車、ホンダに供給する。工場を第3棟まで拡張した場合の最大生産能力は年間20ギガワット時になるという。

充電速度の速い次世代バッテリーの主力生産拠点で、国内最大級のバッテリー工場となる。敷地面積は、東京ドーム約8個分に相当する36万平方メートル。延べ床面積は5万2788平方メートル。従業員は現地雇用を含め500人。第2、3棟完成時の従業員数は千人規模になる予定。工場屋根には太陽光パネルを設置し、使用電力の一部を再生可能エネルギーで賄う。

完成式には大井川和彦知事らが出席。松本昌一最高経営責任者(CEO)は「(地元の)雇用を創出するほか、この工場で新たな技術を醸成する。茨城発の技術を世界に広げることで、地域の活性化につなげたい」と話した。

同社は同工場のほか、26年までに米国、中国など5カ国で新工場を建設し、世界の生産能力400ギガワット時以上を目指す。

© 株式会社茨城新聞社