日銀の田村直樹審議委員は30日、北海道釧路市で講演し、大規模な金融緩和策を通じて達成を目指している2％の物価安定目標に関し「実現がはっきりと視界に捉えられる状況になった」と述べた。達成に向けて不確実性も残っているとして、金融緩和を続けていくことが必要だと強調した。
物価は、資源高や円安ドル高を背景とした輸入物価の上昇をきっかけに幅広い品目で上昇し「バブル期までさかのぼっても経験していない水準で推移している」と説明した。値上げの中身が原材料価格だけでなく運送費や光熱費、人件費の転嫁へ広がっているとして「価格転嫁に対する企業の積極的な姿勢を示している」と指摘した。
