ジェイ・Z、インスタグラムに復帰しプロデュース映画の予告編を投稿

ジェイ・Zがインスタグラムに復帰した。ヒップホップ界の大物である彼は、長らくインスタを利用していなかったが、現地時間2023年8月29日の朝に初めて、そして今のところ唯一の投稿として、聖書が題材の壮大な映画『The Book of Clarence』の予告編をアップした。

ジェイ・Zが製作総指揮を務める今作では、ドラマ・シリーズ『アトランタ』のラキース・スタンフィールドがクラレンス役を演じる。クラレンスはエルサレム出身の“世渡り上手だが運に見放された”男で、借金から抜け出そうとしながら家族のためにより良い生活を送ろうと奮闘している。「台頭するメシアとその使徒たちの力と栄光に魅せられた(クラレンスは)、すべてを賭けて神聖な人生への道を切り開こうとし、最終的には信仰の救いの力こそが唯一の道かもしれないことを発見する」とある。

ジェイ・Zがこの映画の最初の予告編を投稿したことは、厳密には彼にとって初めてのインスタ投稿となるため重要な意味を持つ。だが彼は2021年に、自身が製作総指揮を務めた復讐西部劇映画『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野』のプロモーションのため、一時的にインスタを解禁し、その1日後にアカウントを閉鎖した。当時彼はわずか数時間で80万人近いフォロワーを獲得した。報道時点では、『The Book of Clarence』を宣伝する新しいアカウントは、最初の1時間で775人ほどのフォロワーを獲得していた。

このソニー/トライスター・ピクチャーズ/レジェンダリー・ピクチャーズ製作の作品は、スタンフィールドを起用した監督デビュー作『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール』のジェイムズ・サミュエルが監督を務めている。2024年1月12日に全米公開予定の『The Book of Clarence』には、オマール・シー、RJ・サイラー、ベネディクト・カンバーバッチ、ジェームズ・マカヴォイ、アナ・ディオプ、デヴィッド・オイェロウォ、アルフレ・ウッダード、テヤナ・テイラーらも出演する。

サミュエル監督は米バニティ・フェアに対し、『ハーダー』と同じように、黒人キャラクターをジャンル・ドラマの中心に据える試みについて、「普通の人についての聖書の物語を語りたかったんです。ずっと聖書の物語を掘り下げてみたかったんですが、キリストにサンダルを売る人、ヘアサロンを経営する女性や男性の角度から描いてみたかった」と説明している。

プロデューサーのジェイ・Zは同誌に対し、この前提を聞いた人々が“すぐに宗教的な側面だけに注目し、人間的なストーリーには目を向けないかもしれない”と心配したことを明かし、この映画は宗教や聖書の物語を馬鹿にしているのではなく、“むしろその世界を広げようとしている”と指摘した。予告編では、故プリンスの『パープル・レイン』の名曲「I Would Die 4 U」の再構築バージョンが、クラレンスの霊的目覚めの場面に重なっている。ローマ兵がクラレンスに水の上を歩くことでメシアの力を証明するよう求めるシーンも含まれており、彼は最初の一歩を踏み出す前に「Damn」と言っている。

ジェイ・Zは、「この物語は愛を通して、そして世界で何者かになりたいという気持ちを通して、信仰を見つける若者の話です。誰もが愛を見つけたいと思っていますし、誰もが何かを成し遂げてこの場所を去り、自分がここにいて願わくばポジティブな形で世界に影響を与えたという足跡を残したいと思っています」と述べている。

© 株式会社阪神コンテンツリンク