特殊詐欺防止へ固定電話対策を 岡山県警が「緊急警戒情報」

県警本部

 岡山県警は30日、県内の今年の特殊詐欺被害(20日現在)が115件(前年同期比13件増)で約2億7730万円(同約8230万円増)に上っているとして「緊急警戒情報」を出した。自宅の固定電話に相手の声を録音することを警告する防犯機能などがない人の被害が目立つことから防犯機能付き電話の設置などを広く呼びかける。

 内訳は未納料金名目などの「架空請求詐欺」が29件約1億920万円、警察官らをかたってキャッシュカードなどをだまし取る「預貯金詐欺」が25件約6950万円、親族らを装う「オレオレ詐欺」が16件約4390万円―など。被害者の7割強が固定電話でのやりとりから被害に遭っていた。

 県警が7月末時点で固定電話から被害に遭った79人に電話機能について尋ねたところ、76人(96.2%)が防犯機能が付いておらず、留守番機能は26人(32.1%)、番号表示機能は62人(78.5%)がなかった。機能があった人も有効にしていなかったり、相手を確認せずに電話に出たりしていた。

 県警生活安全企画課は「特殊詐欺の手口は巧妙化しており、『直接話したらだまされる』と思ってほしい。犯人は声を録音されることを恐れるので、防犯機能はぜひ活用してほしい」とする。9月1日には岡山市のJR岡山駅前で固定電話対策などを書いたうちわを配るなど街頭啓発を行うほか、県内各署で広報啓発を強化する。

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