絶賛公開中の『コンサート・フォー・ジョージ』、和田唱(TRICERATOPS)×藤本国彦(ビートルズ研究家)によるトークショーと"ジョージへの感謝上映"が開催!

“静かなるビートル”ジョージ・ハリスン生誕80周年を記念し、絶賛公開中の映画『コンサート・フォー・ジョージ』。日本での初劇場上映を記念した第3弾トーク・イベントが、8月24日(木)、TOHOシネマズ シャンテにて開催された。 トーク・ゲストに、ミュージシャンとしての視点からビートルズの魅力を掘り下げ、現在、NHK-FMで放送中の『ディスカバー・ビートルズII』のパーソナリティも務めているTRICERATOPSの和田唱と、書籍『ディスカバー・ビートルズ THE BOOK』(シンコーミュージック刊)の監修を担当したビートルズ研究家の藤本国彦を迎え、“ジョージへの感謝上映”として、声出し拍手OKの応援上映というスペシャルな形での上映に多くの観客の方が参加した。

© 2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings

本編上映中はポール・マッカートニーやリンゴ・スターほか、出演アーティストの登場シーンには大きな歓声が、演奏の後には拍手、そして、曲に合わせての手拍子も起こる楽しさ溢れる上映回となった。 本編上映後、トーク・ゲストのTRICERATOPSの和田唱とビートルズ研究家の藤本国彦が登壇すると、ビートルズはもちろん、本作をよく知る二人のトークを楽しみに待っていた客席からは一層大きな拍手が起こり、和気藹々としたムードの中、対談がスタート。 試写を含めて劇場で4回鑑賞したという藤本と、DVDでたびたび鑑賞し、2003年、旧日本青年館での特別試写以来の劇場鑑賞だったという和田。2003年当時の試写会には来日中のエリック・クラプトンとオリヴィア・ハリスンも試写会に参加していたことから

「ファンだったので、映画どころではなくなってしまうのではと心配していたものの、始まったら映画に引き込まれて、エリックどころではなくなってしまって(笑)。でもエリックがいることも相まって特別な経験でした」

という和田の思い出から対談はスタート。 劇場での改めての鑑賞に関して、和田からは

「やはり、特に『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』が素晴らしい。『マイ・スウィート・ロード』あたりからこのフィルムが持つ一体感が増して、僕らも観客席にいるような感覚になっていきました。極めつけは『I'll See You in My Dreams(夢で逢いましょう)』でしたね」

と話すと、

「エンディングの花吹雪、いいですよね」

と藤本も相槌を打ち、客席からも深い頷きがあった。続けて、

「『I'll See You in My Dreams』をTRICERATOPSでカバーしたきっかけはこのコンサートですか?」

と藤本が尋ねると、

「もちろんそうです。ジョー・ブラウンが演っているのを聴いて、改めて素敵な曲だなぁ、と思って。雰囲気がぴったりですよね」

と和田。

© 2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings

本作の音楽監督を務めたエリック・クラプトンに関して、藤本より

「クラプトンはジョージの弟分として、裏方に徹して、気も回しながら甲斐甲斐しく主催者を務めていて、そのあたりにもジョージへの想いの強さが出ていますね」

と語ると、和田も

「この映画を観るとクラプトンが好きになりますよね。普段よりもよく笑っているんですよ。そのあたりも素敵だな」

と話した。また、ソロも控えめで、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」も前半はレコードに忠実にギターを弾くクラプトンに、ポールのピアノ、リンゴのドラムとレコーディングしたときのメンバー3人が揃っていることへの改めての驚きも語られた。

「ビートルズの二人、リンゴやポールが出てくるだけでオール・スター・バンドのようになりますね」

と言う藤本に、

「ビートルズの二人が持っている華は特別なものがありますね」

と和田。

「『フォー・ユー・ブルー』でポールがリンゴに合図を送って、リンゴが一節を歌う場面なんかもいいですよね」

と継ぎ、しばしポール談義に花が咲いた。

「モンティ・パイソンのハチャメチャなコメディやいわゆるブラック・ユーモアからインド音楽や宗教的な荘厳さまで、ジョージらしい幅がありますよね」(藤本)

「そうですよね。ロックもありで、最後は『夢で逢いましょう』という音楽的にミクスチャーなのも好きなところなんですよ」(和田)

「そこもジョージだからこそですよね。ジョージが好きだった人たちがちゃんと声をかけられて集まっているのもわかります」(藤本)

と、ジョージ不在のトリビュート・コンサートながら、様々な場面でジョージらしさを感じられるコンサートだったこともしみじみと語られた。 和田からの

「ジョージの日本公演でもバックを支えた面々がいるのもいいですね。かつてジョージの曲を演奏している人たちがバックにいるから演奏もタイトでまとまっています」

との話や、開催から21年が経ち、トム・ペティやビリー・プレストン、ラヴィ・シャンカール、ゲイリー・ブルッカー、ジム・キャパルディなど、既に亡くなっているミュージシャンも多く、月日を感じるということや、ジョー・ブラウン、サム・ブラウンを始めとする出演ミュージシャンにまつわる話など、本作をよく知る二人ならではの様々なエピソードがテンポよく語られ、会場からの大きな拍手とともに30分のトーク・イベントは終了となった。

© 2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings

『コンサート・フォー・ジョージ』はジョージ・ハリスンが他界したちょうど1年後の2002年11月29日に盟友エリック・クラプトンと妻オリヴィア・ハリスンによって開催された、ジョージ・ハリスンの音楽と“美しき人生”を讃えるトリビュート・コンサート映画。 音楽監督を務めるエリック・クラプトンの呼びかけで、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ジェフ・リン、ジュールズ・ホランド、ビリー・プレストン、シタール奏者のラヴィ・シャンカール、トム・ハンクスがサプライズ参加したモンティ・パイソンまで、ジョージを愛するアーティストが奇跡の共演を果たし、ジョージの名曲の数々を演奏するトリビュート・コンサートは、ジョージ・ファンはもとより、音楽ファンの心を揺さぶる歴史的一夜として語られている。 今回、日本初劇場公開となる『コンサート・フォー・ジョージ』は、昨年開催20周年を記念し海外でワンナイト上映された、高音質・高画質のリマスター版。豪華アーティストが結集した感動溢れるコンサート映画を劇場の大スクリーンで体験していただきたい。

© 有限会社ルーフトップ