農水省も紹介! トマトがスイーツ化する「絶品・冷凍トマト」レシピ

冷凍させるとトマトをデザート感覚で楽しめる

さわやかな酸味で、暑さを忘れさせてくれるトマト。これに、まったく新しい食べ方があるって知っていた? 農林水産省も推奨する冷凍トマトで、おいしく健康になろう!

夏野菜の代表でもあるトマト。夏は出荷量も多く、おいしく多様な品種のトマトが店頭に並ぶ。そんななか、農林水産省がX(旧ツイッター)公式アカウント(@MAFF_JAPAN)で、《シャリっとおいしい極上スイーツ》と、冷凍トマトを紹介したことが話題となっている。

同時に、農水省は【冷凍トマトの作り方】も指南。作り方は、

(1)トマトを用意
(2)ヘタを取って洗う
(3)水滴を拭きとる
(4)フリーザーバッグに入れる
(5)冷凍庫で凍らせる

という簡単なものだ。

食のアドバイザーで栄養士の成田和子さんはこう話す。

「実は、冷凍トマトのメリットはとても多いんです。冷蔵だと日持ちは1週間から10日程度ですが、冷凍なら1カ月は持ちます。また、冷凍や解凍によって細胞が壊れることで、甘味を感じやすくなったり、栄養を吸収しやすくなる。さらに、うま味成分のグルタミン酸が1.5倍に増えるといわれています」

ほかにも水にくぐらせるだけで皮がするっとむけて、時短調理ができる。うま味の多いゼリー部分と身が一体化して味が濃くなるなど、冷凍トマトには多くの利点がある。

「スーパーなどで、安くトマトが出回っていたら、多めに買って冷凍しておくのがおすすめです。栄養たっぷりのトマトは健康効果も期待できます」(成田さん、以下同)

たとえば、トマトには水溶性食物繊維の「ペクチン」が豊富に含まれる。水溶性食物繊維は胃や腸で吸収されず、ゆっくり大腸まで運ばれ、便を軟らかくしてスムーズな排せつを促す。つまり、便秘の解消を助けるのだ。ほかにも栄養素はたくさん。

「ビタミンU」…通称キャベジン。胃壁の修復に効果がある。

「リコピン」…黄色または赤色の色素成分であるカロテノイドのなかでも、特に強い抗酸化作用を持つ。体内で活性酸素が発生するのを抑える働きがあり、皮膚の老化を防ぐほか、生活習慣病である動脈硬化や心筋梗塞の予防などにもすぐれた効果がある。

「β-カロテン」…体内でビタミンAに変化する。健康維持にビタミンAは欠かせないが、過剰摂取すると頭痛などの健康障害を起こす。しかし、β-カロテンは必要なときだけビタミンAに変化するので、取りすぎになる心配がない。

「トマトはこれ以外にも、美肌効果や風邪予防に役立つビタミンCや老化を抑制するビタミンE、塩分の排出を助けるカリウムなどをバランスよく含んでいます。お通じによく、胃の修復にも役立つまさに最強食材。凍らせるだけでさらに栄養が吸収しやすくなるんですから、冷凍トマトを活用しない手はないですね」

■すりおろしてシャーベットにも

冷凍トマトをそのままかじっても美味だが、ひと工夫すると、さらにおいしくなる。

「すりおろして練乳やはちみつをかけるだけで絶品のシャーベットになります。また、すりおろした冷凍トマトとはちみつをヨーグルトに加えてもおいしいですね。そのままミキサーにかけても、スムージーとして楽しめます」

さらに、日々の食卓に出せる絶品メニューを成田さんに教えてもらった。冷凍させるトマトは、普通のトマトでも、ミニトマトなど小さい品種でもどちらでもいい。いずれも冷凍のさせ方は、冒頭の農水省のやり方でOKだ。

創意工夫で、無限の使い道がある冷凍トマト。トマトは昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」「トマトのある家に胃病なし」といわれてきた健康食材だ。

ぜひ冷凍して、そのおいしさとともに、高い健康効果を体感してほしい。

■冷凍トマトとおぼろ豆腐のサラダ

【材料(2人分)】

おぼろ豆腐…200g
塩…小さじ1/3
オリーブ油…少々
冷凍トマト(粗切り)…150g
塩・こしょう…各少々
小ねぎ…少々

【作り方】

(1)おぼろ豆腐に塩とオリーブ油を入れて混ぜる。
(2)冷凍トマトを豆腐の上にのせて塩、こしょう、オリーブ油をかけ、小ねぎを飾る。

■冷凍トマトの冷製パスタ(カッペリーニ)

【材料(1人分)】

カッペリーニ…80g
オリーブ油…少々
冷凍トマト(粗切り)…100g

<A>
玉ねぎ(みじん切り)…30g
セロリ薄切り…20g
サラダエビ…5尾
ベビーホタテ…3個

<B>
コンソメスープ…50ml
酢…大さじ2
オリーブ油…小さじ2
塩・こしょう…各少々

【作り方】

(1)塩を入れた湯でカッペリーニを2分ゆでて水にとり、水分を切ってオリーブ油を回しかけて、冷凍トマトを加えて混ぜ器に入れる。
(2)AとBを混ぜ、(1)の上からかけて混ぜる。

【PROFILE】

成田和子さん

栄養士で、料理研究家。『高血圧の治療と食事療法』(日東書院本社)など著書多数

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