花火にも物価高の波が…「海外産は3割から4割値上げ」あの“ドラゴンシリーズ”も

家庭用の花火は、この夏も物価高騰の影響を受けています。

(佐野花火店 佐野和子代表)
「本当に花火も値上がりしてて国内産は1.5割から2割、海外産は3割から4割上がっている」

愛知県岡崎市にあるこの花火店は、国内産の花火を中心におよそ1000種類を販売していますが、ことしはそのほとんどを値上げしたと言います。

(佐野花火店 佐野和子代表)
「例えばこのビッグドラゴンは、去年は200円だったものがことしは250円。ドラゴンジャックも170円から200円になった。値上げ幅がすごかったので価格を決める面ですごく苦労した」

(女性客)
「仕方ないとは思う。値上げはつらいけど(花火を)諦めるほうがつらい」

「ドラゴン」シリーズの花火は、岡崎市に本社を構える太田煙火製造所のヒット作。およそ100年もの間「おもちゃ花火」を作り続けてきましたが、去年も「断腸の思いで値上げ」し、今年もさらに値上げを考えていると言います。

(太田煙火製造所 太田恒司社長)
「本当は値上げしたくない。子ども達が遊ぶものなのであんまり値上げしたくないが、これだけ(原料の価格が)上がってくると値上げしないとやっていけない」

火薬の原料となる化学薬品や紙製品の価格高騰が値上げの要因です。

(太田煙火製造所 太田恒司社長)
「ここ2年で考えると35%くらいは上がっているような気がする。(原料の価格が)値上がりし始めた時に生産を拡大し始めたからもろに影響を受けた」

新型コロナの影響でここ数年は売上げが3割ほど落ち込みました。そこで、この夏「反転攻勢に出よう」と意気込んでいたのですが。

(太田煙火製造所 太田恒司社長)
「ことし台風がお盆の時期に来た。それで結構打撃を受けた」

お盆の台風直撃は花火をする機会を奪い、販売先が在庫をかかえる結果に。このままだと、ことしの花火の在庫が残ったまま年を越してしまい、来年の花火が売れなくなってしまうのです。しかし、太田社長は今後の天候に一縷の望みが…。

(太田煙火製造所 太田恒司社長)
「ことしは特に残暑で、まだ花火遊びをする気分が9月下旬までありそう。その間に『涼しくなったから花火やろう』という風になってくれると来年も期待できるかなと思う」

© CBCテレビ