最終日90ydのパー3でドラマも? 戸張捷氏が明かす富士桜“ひっくり返し”の狙い

昨年までの9番が18番となってスタンドも新設。フェアウェイ右サイドのラフがかなり長くなった(撮影/亀山泰宏)

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 事前(30日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)

2005年に会場を移して19回目となる山梨・富士桜CC。今週最大のトピックといえるのが、インとアウトをそのまま入れ替えたレイアウトだ。戸張捷ゼネラルプロデューサーによれば、2~3年前から構想を練っていたという。

「個人的な性格の問題なんだけど“従来通り”っていうのがあんまり好きじゃないんです」と笑わせながら、単なる思い付きではない準備を重ねてきた。昨年までのアウトコースの終盤5ホールに、試合展開をよりダイナミックにできるポテンシャルがあると着目。コース側とも話し合い、徐々に改造を進めていた。

14番(旧5番)は後ろにティイングエリアを新設し、グリーン手前の池を生かすパー5に。逆に15番(旧6番)は池の横のティから打ち上げていくパー4に変えるため、グリーン手前の大きな松の木を切ってもらった。そうやって下地を整え、満を持してアウトインの入れ替えを敢行する。

「最終日、ティの脇で見ていたら面白いと思うよ」といたずらっぽく笑うのは16番パー3。初日から3日間は210ydの設定だが、最終日は90ydほどの距離にして池に近い手前にピンを切るつもりだとか。

ウェッジの番手選択はもちろん、スピンコントロールも含めて「(選手は)結構、悩むんじゃないかな」とニヤリ。「全米オープン」の開催コースとしても知られるペンシルベニア州メリオンGCの13番(直近の2013年は115yd設定)を引き合いに、「ティショットをどこに止めるかとか、すごく難しい要素があって、(ショットからパットまで)見ている人の目の前で完結する。そういうパー3ができたら」と力説した。

「自分たち(ギャラリー)ができないことをプロがやる。そういう面白さを見せないと、プロトーナメントではないと思う。同じフジサンケイだけど、新しいトーナメントができたみたいな感じ」と胸を張る戸張氏のメッセージを、選手たちはどう受け止めたか。

大会連覇も経験している富士桜だが今年はひと味違う(撮影/亀山泰宏)

石川遼はラフの長さ、グリーンの仕上がりを含めて「日本オープンみたいなセッティング」と表情を引き締める。上がり5ホールとともにポイントに挙げたのは、上位で決勝ラウンドを迎えた時のスタートホール。「いままでの1番(新10番)ホールは全体で見ると、伸ばしていけるホールだった。朝イチの1打目、2打目をそのホール(新1番)で打っていく難しさがあります」。タフな戦いを覚悟した様子で話した。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)

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