会議前に白川社長へ改ざん報告 Bモーター不正で損保ジャパン

損保ジャパンの白川儀一社長=2022年

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の不正請求問題で、損害保険ジャパンの白川儀一社長がビッグモーターとの取引再開を協議した昨年7月の役員会議の数日前に、不正を否定したビッグモーターの自主調査結果は同社に都合よく改ざんされたものだと部下から報告を受けていたことが30日、分かった。白川氏は役員会議で「事実関係としてはクロ(不正)が推認される」と発言した上で、いったん中止した取引の再開を促していた。

 損保ジャパンは31日、こうした取引再開の経緯などを金融庁に報告する。経営判断が妥当だったかどうか厳しく問われる。

 関係者によると、役員会議が開かれたのは昨年7月6日で、白川氏に報告された内容はメンバーに共有された。顧客保護の観点から全国の修理工場を調査する必要性を訴えた役員もいたが、大口取引先であるビッグモーターとの関係悪化を懸念し、取引を再開する流れになった。

 ビッグモーターの自主調査結果は当初「工場長による不正の指示があった」だったが、「ヒューマンエラー」と書き換えられた。

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